保存食を普段使いに 「ローリングストック」を生活に取り入れてみませんか?:デジタル防災を始めよう(2/2 ページ)
カップ麺の広告などで「ローリングストック」という言葉を目にすることが多い。
食料以外のローリングストックも気にかけよう
防災用の備蓄というと食料が思い浮かぶが、それ以外を備えている人は少ない印象だ。せめて乾電池をストックしているという人くらいだろうか。乾電池もそうだが、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗剤、消毒薬、マスクなどの衛生用品もいざという時に品切れになりやすい。
新型コロナウイルス蔓延初期に不織布マスクや消毒薬が払底し、高額転売があったり、店に早朝から長蛇の列を作る光景は記憶に新しい。
これら日常で使うものに関しては、リモートワークなどもあって常に自宅にいる生活をした場合にどれだけ消費するかという感覚は掴めたと思うので、1カ月分は家に備蓄があるという状態にしてあると心強い。
ローリングストックをすることで、他の備蓄にも余裕が生まれる
ローリングストックでは対応できない非常時の備えもある。例えば非常用トイレなどがそれに相当するが、自宅内に防災用備蓄として使用できる保管スペースは限られているので、非常食などでそのスペースを消費してしまっては、その他の防災備蓄が十分備えられないことになる。
食料や衛生用品はローリングストックをメインにして、非常備蓄は持ち出し用の数日分にしておくと割り切ることで、非常用トイレやカセットコンロのボンベなどを余分に備蓄することも可能になる。
何をローリングストックでまかなって、どれを非常用の備蓄をしておくべきかなどの判断は、住居の構造や周囲の環境など「マイタイムライン」で参照しておくといいだろう。
鉄筋コンクリートで最新の耐震基準を満たしたマンションなどの集合住宅であれば、最低でも建物は倒壊しないはずなので、自宅避難を基本としたローリングストック中心の備えは多くの家庭ですぐに実施できる。非常食を備蓄しないと決めたとしても、ローリングストックがあればどうにかなることも多い。
防災における3助(自助、共助、公助)においては、最低限自分たちでローリングストックを持っておくことが自助の第一歩となるだろう。
物を持たない、ミニマムな生活はその人にとって快適かもしれないが、災害時など物流が滞り需給バランスが著しく崩れた状況ではあらゆるものが不足する事態になり、たちまち生活が立ち行かなくなる。
共助や公助が効果を発揮するためにもまずは自助として、ローリングストックを始めよう。
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