尼崎市、全市民46万人分の個人情報入りUSB紛失 委託先関係社員が飲食店でなくしたか
臨時特別給付金の支給事務にあたっていた委託先関係社員が、全市民46万人分の個人情報が入ったUSBメモリを紛失したとして兵庫県尼崎市が謝罪した。USBメモリにはパスワードと暗号化をかけており、情報の漏えいは確認されていないとしている。
兵庫県尼崎市は6月23日、臨時特別給付金の支給事務にあたっていた委託先「BIPROGY関西支社」(大阪市)の関係社員が、全市民46万人分の個人情報が入ったUSBメモリを紛失したとして謝罪した。USBメモリにはパスワードと暗号化をかけており、23日時点で情報の漏えいは確認されていないとしている。
関係社員は21日、臨時特別給付金コールセンターで行われたデータ移管作業の際に、必要なデータをUSBメモリに保存し、カバンに入れて持ち出した。移管作業の完了後、同関係社員はUSBメモリを持ったまま飲食店で食事や飲酒をし、帰宅後にカバンの紛失に気付いた。
同関係社員は22日にカバンを捜索したものの見つからなかったため、警察署に遺失物届を提出。同日午後3時45分ごろにBIPROGYを通して市に報告した。
USBメモリには全市民の住民基本台帳データ46万517件、住民税に関する情報36万573件、生活保護や児童手当受給世帯の銀行口座情報合計7万6026件、非課税世帯党臨時特別給付金の対象世帯情報合計8万2716件を保存していた。
臨時特別給付金に関する事務に遅れなどの影響はない。市は今後の調査結果を公式Webサイトで報告する他、市民に向けた相談窓口(050‐3133‐1403)を設置する。委託先には電子記録媒体を持ち出す際には市の許可を得て万全な情報セキュリティ対策を施したうえで実施するよう求めるとともに、個人情報の重要性を改めて周知し、危機意識を高めるとしている。
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