Netflix、不正なパスワード共有対策「ホームを追加」を5カ国で開始
Netflixは、パスワードを不正に共有するユーザーの対策として、1つのアカウントで使える「home」を追加する機能を発表した。アルゼンチンなど5カ国で8月に開始する。不正利用を検出すると、homeを追加するよう促す。
米Netflixは7月19日(現地時間)、違反である「お客様のご家庭以外の方」とパスワードを共有しているユーザーに対し、追加料金を請求する新たな機能「add a home」をアルゼンチン、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスの5カ国で8月に開始すると発表した。
Netflixでは本来、いずれのプランでも「お客様のご家庭以外の方」とアカウントを共有することはできないはずだが、同じ世帯ではない人にパスワードを貸して無料で視聴できるようにするユーザーが少なからず存在する。
「会員の皆様が、Netflixのコンテンツを広く共有したいと思ってくださるのは素晴らしいことです。しかし、現在のような世帯間での広範なアカウント共有は、サービスに投資し、改善していくためのわれわれの長期的な能力を損ないます」とNetflixは説明した。
そのため、違反せずにアカウントを安価に共有するための方法を検討した結果「ad a home」にたどりついたという。
いずれのプランでも、アカウントごとに1つのhomeがあり、このhome内では従来通り、複数のユーザーが複数のデバイス(プランによって数は異なる)を利用できる。追加のhomeを購入すると、新たなhomeでも同様に利用できる。追加できるhomeの数はプランによって異なる。料金は、例えばアルゼンチンの場合、1home当たり月額219ペソ(約536円)。ちなみに、アルゼンチンでのプランは、ベーシックが429ペソ、スタンダードは799ペソ、プレミアムは1199ペソ。
アルゼンチン向けヘルプページによると、8月22日以降に登録世帯以外の場所でNetflixにログインすると、add a homeを利用するよう促される。最大2週間はhomeを追加しなくてもそのまま使えるが、その後ブロックされる。
NetflixはIPアドレス、デバイスID、アカウントのアクティビティなどの情報からユーザーが登録世帯以外でログインしたことを検出する。
同社は3月には、チリ、コスタリカ、ペルーの3カ国で異なる方法による対策のテストを開始している。
Netflixは第1四半期、約10年ぶりに会員数が減少しており、4〜6月気にはさらに200万人減ると予想した。
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