「月データセンター」「6G」が黎明期に 「日本における未来志向型インフラのハイプ・サイクル」ガートナーが2022年版公開
ガートナージャパンが「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表した。汎用人工知能、6G、月データセンターなどは黎明期の入り口に。メタバースやWeb 3は過度な期待のピーク期にあるという。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「月データセンターや6Gは黎明期、Web3は期待のピーク期、モノのインターネットは幻滅期など、ガートナーが「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表」(2022年9月5日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
ガートナージャパンは「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を発表しました。
米Gartnerは毎年「先進テクノロジーのハイプサイクル」を発表していますが、今回発表されたのは、日本において未来志向型と捉えられるインフラストラクチャを中心とする36のテクノロジーやトレンドを、ガートナージャパンが同社の手法であるハイプサイクルとしてまとめたものです。
参考:米ガートナー「先進テクノロジーのハイプサイクル2022年」を発表。分散IDやWeb3は過度な期待、機械学習によるコード生成、デジタルヒューマンなどは黎明期
Gartnerのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓蒙活動期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。
日本ではグローバルよりも早い段階で「メタバース」に過度な期待が
左の黎明期からキーワードをいくつか見ていくと、汎用人工知能、6G、月データセンターなどは黎明期の入り口にあり、自律分散型組織、エッジAIなどが黎明期の出口にあります。
Web 3は「『過度な期待』のピーク期」の入り口にありますが、なんといっても「『過度な期待』のピーク期」の頂点にあるのがメタバースです。実はメタバースはGartnerの2022年のハイプサイクルではまだ黎明期に位置しています。
Gartnerはメタバースを「仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合によって創り出される集合的な仮想共有空間で、継続的なイマーシブ・エクスペリエンス(没入感)を提供するもの」と定義したうえで、「日本ではグローバルよりも早い段階で過度な期待が寄せられている」と指摘しています。
次世代型リアル店舗、モノのインターネット、ブロックチェーンなどが「幻滅期」にあり、人工知能は幻滅期を抜け出して「啓発期」に移行したと位置づけられています。
関連記事
- ハイプサイクルに新登場した「ヘルスパスポート」はウィズコロナ時代に何をもたらすか
小林啓倫さんによる、コロナ禍におけるテクノロジー解説連載、スタートです。 - 世界のIaaSシェア、2021年は1位AWS、2位Microsoft、3位Alibaba、4位Google ガートナー調査
米Gartnerが、ワールドワイドにおける2021年のIaaSクラウドの市場シェアについて、調査結果を発表した。トップは米AWSでシェア38.9%、2位は米Microsoftで21.1%、3位は中国Alibabaでシェア9.5%、4位は米Googleでシェア7.1%だった。 - 5GやAI PaaSは「過度な期待」のピーク 2019年版「ハイプ・サイクル」公開
米Gartnerは、先進テクノロジーが登場した後の動きを視覚的に説明する「ハイプ・サイクル」の2019年版を発表した。5Gやバイオチップ、AI PaaSなどは「過度な期待」のピーク期にあるという。 - 電気代高騰に揺れるデータセンタービジネス、事業者の対応は? “中の人”に聞く現状と対策
電気代高騰のあおりを受けるデータセンタービジネス。事業者はどのように対応しているのか。実際にデータセンター事業を手掛けるNTTコムの“中の人”に詳細を聞く。 - 6Gで人間を“拡張” ドコモ、動作を複数人で共有する基盤開発
NTTドコモが、ネットワークで人間の感覚を拡張する「人間拡張」を実現するための基盤を開発した。センサーで取得した動作データを基盤経由で他者やロボットに共有できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.