ヤマハ、平面駆動式ヘッドフォンを開発 '70年代“黄金期”の技術が復活
ヤマハミュージックジャパンは9日、1970年代に実用化した同社初の平面駆動方式「オルソダイナミック」型を受け継ぐ高級ヘッドフォンを開発していると明らかにした。「秋のヘッドフォン祭2022」で視聴体験会を行う。
ヤマハミュージックジャパンは9月9日、1970年代に実用化した同社初の平面駆動方式「Orthodynamic」(オルソダイナミック)型を受け継ぐ高級ヘッドフォンを開発していると明らかにした。製品未発表のまま18日に開幕する「秋のヘッドフォン祭2022」(中野サンプラザ)で視聴体験会を行う。
ヤマハは詳細を明らかにしていないが、その音については「現在実現しうる最高のサウンド」「高い応答性としなやかさの両立を再現し、微細音への高い追従、空気感のある低域表現、広い音場の中で1音1音が躍動する自然な没入感を実現」と表現している。
試聴会は1回15分。ヤマハブースで会期中に1時間あたり2回もしくは3回行う。1回の定員は2人で、整理券が必要になる。
オルソダイナミック型は、1976年発売のヘッドフォン「HP-1」などに採用した平面駆動方式。わずか12μm厚のポリエステルフィルム振動板にフォトエッチングという手法で渦巻き状のボイスコイルを一体化。これを2枚のマグネット板ではさみ駆動させることで分割振動のない均一な動きを実現したという。
1970年代は「黄金期」と呼ばれるオーディオ全盛期でメーカー各社はダイナミック型スピーカーに代わる“次世代技術”を模索していた。オルソダイナミック型も「開発者の探究心と製造技術の高度なコラボレーションによって初めてモノにできた方式」(ヤマハ公式サイト『History of Products』より)であり、コスト高のため後が続かなかったとみられる。
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