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同志社大の司法研究科教授が論文盗用 「ネット上の学生の文章に著作権はないと誤解」
同志社大学大学院司法研究科教授による他者の論文を盗用する不正行為が発覚した。不正行為をした教授は「ネット上の学生の文章には、著作権は存在しないと誤解していた」などと述べているという。9日時点で教授はすでに退職している。
同志社大学は9月9日、他者の論文を盗用する不正行為があったとして同大学大学院司法研究科の教授を懲戒処分にしたと発表した。問題の教授は「ネット上の学生の文章には、著作権は存在しないと誤解していた」と弁明したという。教授はすでに退職している。
2021年7月21日、同大学に対して「司法研究科の教授が不正行為をした疑いがある」と告発があり、調査を実施。盗用の疑いがあった論文3本に、他人のデータや研究成果などを不適切に使用したことが認められたという。
不正行為が行われた背景について同志社大は「(問題の教授は)学外の業務を多く担当するなど大変多忙な中、急いで論文の校正を行う状況にあり、自己の処理能力を超えて業務を引き受けたことが一因」と説明。また問題の教授は「インターネットに載っている学生執筆の文章などには、著作権は存在しないから自由に利用してよいと誤解していた」としている。
同志社大は、盗用のあった論文に訂正措置を勧告。研究者に対しては、研究倫理教育の見直しや強化を図り、再発防止に取り組む。なお、問題の教授の名前や論文などは明かしていない。
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