“シンセの名機”を3D空間で演奏できるWebアプリ テクノ版「かえるのがっしょう」を聴いてほしい!:遊んで学べる「Experiments with Google」(第22回)(3/3 ページ)
“シンセサイザーの名機”を3D空間上に配置して演奏できるWebアプリがある。懐かしい電子楽器を触りながらテクノ版「かえるのがっしょう」を演奏したので、ぜひ聴いてほしい!
テクノ版「かえるのがっしょう」を聴いてほしい!
AR Synthでは、楽器に好きなメロディを打ち込める。そこで、この連載ではおなじみの「かえるのがっしょう」を演奏してみた。主旋律はFairlight CMIのシーケンサーに入力したが、16ステップなので調子が異なり分かりにくいかもしれない。
しかし、逆に「かえるのうたが きこえてくるよ♪」というモチーフの繰り返しが、かえってテクノ風を醸し出し、楽しい演奏になった。
ARやシェアも楽しい
最後に演奏以外の機能も簡単に紹介する。AR SynthをAR対応のスマホで動かすと、自分の部屋に楽器を置いて演奏できる。もちろん仮想上の話ではあるが、映像がリアルなので、本物の楽器を置いた部屋で組み合わせて演奏すると楽しそうだ。
もう1つ面白い機能が、楽器の配置や設定を保存してシェアできる機能だ。例えば先ほど紹介したテクノ版かえるのがっしょうは、ここにアクセスすれば皆さんの手元でも演奏できる。自信作ができたら友達に自慢したりSNSでシェアしたりできる。
技術革新とともに進化してきた音楽 遊びながら魅力を伝えるコンテンツ
AR Synthは、音楽の進化と楽しさを伝えるGoogle Arts & Cultureの取り組み「Music, Makers & Machines」に伴って開発された。電子楽器の魅力を伝えることが目的だ。
遠い昔、音楽を楽しむ手段は生演奏を聴くか楽譜を読むかの2種類に限られていた。録音技術が開発されると、蓄音機と蝋管(ろうかん)やいわゆるレコードで好きな時に再生できるようになった。ラジオやテレビ、カセットテープ、CD、さらにはインターネット経由のストリーミング配信といった技術革新によって音楽の楽しみ方は大きく変化している。
それと同時に演奏手段も技術の進歩に合わせて移り変わり、新しい表現が生み出されてきた。AR Synthは、そうした楽器の進歩を体験するためのコンテンツでもある。
ちなみに、AR Synthに登場した電子楽器の画像はスイスにある電子楽器博物館「Swiss Museum & Center for Electronic Music Instruments」の収蔵品だ。特設サイトではAR Synthで演奏できる5種類だけでなく、多彩な電子楽器をオンライン展示している。日本製の楽器もたくさんあり、3D表示できるものも多くてとても興味深い。
それでは最後に、今週は80年代ミュージックビデオ風の演奏でお別れです。
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