Meta、2020年買収のGIPHYを売却へ 英競争規制当局の命令に従う
英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)はMetaに対し、傘下のGIFアニメコミュニティGIPHYを売却するよう命じた。Metaは2020年にGIPHYを買収したが、CMAはこの買収が英国のディスプレイ広告の革新性を低下させると判断した。
英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)は10月18日(現地時間)、米Metaに対し、傘下のGIFアニメコミュニティGIPHYを売却するよう命じたと発表した。CMAは、MetaによるGIPHYの買収が、英国のSNSユーザーの選択肢を制限し、英国のディスプレイ広告の革新性を低下させると判断したとしている。
Meta(当時はFacebook)は2020年5月にGIPHY買収を発表し、同月取引を完了した。買収総額は約4億ドルと報じられている。
CMAは昨年11月30日に同じ命令を下したが、Metaの競争審判所への申し立てにより執行停止になっていた。だが、審判所がCMAの決定を指示し、この決定は合法であると結論付けたことにより命令は最終決定となった。
CMAは発表文で、この買収はディスプレイ広告市場に悪影響を与えると判断したと説明した。GIPHYは米国で広告サービスを提供し、英国でもサービス開始を検討していたが、Metaは買収時にこのサービスを終了し、GIPHYの英国企業向けの潜在的な広告ツールを削除した。Metaは英国のディスプレイ広告市場のほぼ半分を占めていることを考慮し、「この買収が競争に及ぼす影響を回避する唯一の方法は、MetaがGIPHYを完全に売却することであると結論付けた」。
Metaは英BBCに対し、この決定に落胆したが、受け入れると語った。
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