「ETC2.0」がサーバに送信している速度や位置情報、民間活用の動き始まる トラック運行情報や保険にも(2/3 ページ)
ETC2.0が、位置情報や速度などを、国土交通省のサーバに随時アップロードしていることは意外と知られていない。この情報を民間が活用できる仕組みも整備が進んでいる。
クルマの位置情報などをサーバに集約して活用
まずはETC2.0がどのような情報を取得して、どう管理しているのかを確認しよう。
ETC2.0の車載器は、内蔵したGPSやカーナビと連携して200mおきに各種走行情報を取得する。取得した情報はプローブ情報と呼ばれ、時刻や位置情報、速度などのほか、加速度センサーが付いている機種では急加速減速など前後左右の挙動情報などを含んでいる。
機器内部には約80km分のデータが保管でき、道路脇に設置された「ITSスポット」と呼ばれるアンテナ設備を通じて定期的にアップロードされる。ITSスポットは全国で約4100カ所、都市間の高速道路では10k〜15kmおき、都市内高速道路では約4kmおきに設置されており、主要国道にも設置されている。
プローブ情報にはETC2.0車載器のIDがひも付いている。そして車載器のIDはETC取り付け時に必要となる「ETC車載器セットアップ申込書・証明書」を通じて、クルマの車検証データや所有者とひも付く。
これによってデータ上は、誰が、いつ、どこにいて、どんな走行をしていたのかが把握できるようになっている。
国土交通省および各高速道路会社は、車載器ID付きのプローブ情報を「渋滞などを迂回する経路を走行したドライバーを優遇するなどの経路情報を活用したサービス」にのみ利用するとしている。また研究や開発のため、個別車両を特定できないよう統計処理した情報を第三者提供する場合があるとしている。基本的には、正確な渋滞情報の提供が主な目的だ。
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