“限界情シス”をゲームで体験 HENNGEの「情シスすごろく」遊んでみた インシデントまみれの1カ月、無事に乗り切れるか(1/2 ページ)
HENNGEが制作したボードゲーム「情シスすごろく」を実際にプレイ。「弊社にプロジェクト管理ツールなんていりません!」など“死亡フラグ”が飛び交う結果に。一体全体どんなルールなのか。楽しいのか。
「弊社は情シス部門の人員を削減し、営業力を強化します!」「プロジェクト管理ツールなんていらない、Excelで十分!」──東京都内のとあるホテルで、情報インシデントやトラブルにつながりそうな“死亡フラグ”発言が男女4人から飛び交った。
4人が遊んでいたのはHENNGEが制作した「情シスすごろく」。情シス間の“あるある”をテーマにしたボードゲームだ。10月20日に同社が開催したビジネスカンファレンス「HENNGE NOW!」では、初の体験会も実施。記者もイベントに参加し、ゲームを遊んでみたので、プレイレポートをお届けする。死亡フラグが飛び交うこのゲーム。一体どんなルールなのか。
まずはルール確認 “情シスあるある”を落とし込んだゲームデザイン
情シスすごろくは4人用。プレイ時間は1回15〜30分ほど。転職してきたばかりの社員として「社員がメールを誤送信した」「社員のID・パスワードが漏えいした」といったトラブルに対応し、できるだけ体力を残して1カ月を過ごせた人が勝つ──というルールだ。
進め方は基本的にすごろくと同様で、サイコロを回してゴールを目指す。ただし制限時間があり、手番が5巡(5週間=1カ月)するまでにゴールしなければいけない。他の特徴として、(1)専用のパネルを使って、毎回異なるコースを作る、(2)勝利条件に「体力」などのステータスがあり、ゴールしただけでは勝てない、(3)「アイテムカード」を活用できる──といったルールがある。
特徴1:パネルを使って、毎回異なるコースを作る
(1)について、情シスすごろくでは、進むコースがプレイごとに変わる。プレイヤーはゲームの開始時、トラブルの内容が書かれたパネルをシャッフル。このうち20枚を四角形に並べてコースを作る。パネルは裏にして並べるので、実際にそのマスにたどり着くまでは何が起こるか分からない。ちなみにマス数は営業日を示している。
配置したパネル(マス)のうち、16枚(紫色のマス)は回避可能なトラブルが発生する。プレイヤーはゲーム開始時に獲得できるアイテムカードを使うことで、トラブルを避けられる。
例えば「社員のID・パスワードが漏えいした」というトラブルは、「多要素認証」のカードがあれば回避できる。ソリューションを活用してインシデントを回避するイメージだ。
中には「何もない日」のパネルもある。ただし他4枚のパネル(赤色のマス)に止まった場合「パブリッククラウドで大規模障害が起こる」「地震で電車が止まる」など、不可避のトラブルが発生する。赤マスを踏むとゴールまでのマス数が増えることもある(稼働しなければいけない日数が増える)。ただ、赤・紫どちらも場合もトラブルに遭遇するとカードをもらえる。対処の経験値が増えるので、選択肢も増えるイメージだ。
特徴2:勝利条件に「体力」などのステータスがある
(2)について、各プレイヤーはゲーム開始時点で10点の体力を持つ。体力はトラブルの対処に失敗すると減る。例えゴールしても、他のプレイヤーの方が体力が高ければゲームに勝利できない。
体力以外にも「体調」の概念がある。「標準」〜「極限状態」の4種類で、状態によって振れるダイスが変わる。「標準」時のダイスは1〜6の目がある普通のものだが、「極限状態」だとマイナスの出目などがあるので、前に進みにくくなる。体調はトラブルに対処できないと下がる。逆に対処に成功すると「標準」に戻せる。
特徴3:「アイテムカード」の活用
とはいえプレイヤーは限られたカードしか持っていないので、ときには自力でトラブルに対処できないこともある。そこで使えるのが(3)だ。プレイヤーは「カードを捨てる」「ユーザーコミュニティー」という2つのルールを活用できる。
「カードを捨てる」は、手持ちのアイテムカードを捨てることで、サイコロの出目をブーストできるルール。例えば「+2」と書いてあるカードを捨てれば2つ追加でマスを進める。ただしカードを捨てる際は「そのソリューションを捨てる理由」を説明しなければいけない。例えば「プロジェクト管理ツール」のカードを捨てるときは「プロジェクト管理ツールなんていらない、Excelで十分!」などの言い訳が必要になる。
カードの中にはソリューションだけでなく「コミュニケーションが得意な人材」「ビール」といったものもあるので、都度言い訳を考えなければいけない。ここで記事冒頭のような大喜利が発生するわけだ。
「ユーザーコミュニティー」は、他のプレイヤーがトラブルに遭遇したとき、自分のカードを使ってピンチを助けてあげられるルールだ。ある程度コースを進むと、HENNGEのユーザーコミュニティー「chameleon」(カメレオン)にゲーム内で加入できる。加入者同士であれば、アイテムカードを使って支援し合える。ユーザーコミュニティー間でナレッジを共有するイメージに近い。
他のユーザーを助けると支援ポイントが手に入る。この支援ポイントは、ゴールできたかどうか、体力がどれくらい残っているかと並ぶ勝利条件になる。つまりこのゲームは、(1)5巡以内にゴールできていて、(2)最も体力が多く、(3)支援ポイントも多い──プレイヤーが勝利するわけだ。
一連の条件を満たしたプレイヤーを、ゲームでは「情シスの鑑」と称する。きちんと余裕をもって仕事を済ませ、さらに他の人員のサポートまでできる──そんな情シスになるには、カード(ソリューションや他の人材)の取捨選択が重要、という作りになっている。
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