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“限界情シス”をゲームで体験 HENNGEの「情シスすごろく」遊んでみた インシデントまみれの1カ月、無事に乗り切れるか(2/2 ページ)

HENNGEが制作したボードゲーム「情シスすごろく」を実際にプレイ。「弊社にプロジェクト管理ツールなんていりません!」など“死亡フラグ”が飛び交う結果に。一体全体どんなルールなのか。楽しいのか。

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で、実際楽しいの? 遊んでみた感想は

 実際にプレイしてみた感想としては「IT業界あるある」が共有できている間柄であれば非常に楽しいゲームだと思った。今回は記者とHENNGE社員3人でプレイしたので、記事冒頭のような死亡フラグを言い合うのが楽しかった。

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ゲームプレイの様子(手前左が記者)

 発生するトラブルにどれもリアリティーがあるのも面白かった。どれもITmedia NEWSで記事にしたら注目を集めそうなインシデントばかりで、パネルをめくるたびに盛り上がった。セキュリティの都合上、外部にいえない情報が多くなりがちな情シス同士でも、パネルの“あるある”をきっかけに会話ができるのも秀逸と感じた。

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他のプレイヤーが使っていた体力管理用のパネル

 コンポーネント(小物)も可愛らしくて好印象だった。特に気に入ったのは、体力や体調といったステータスを管理するときに使うパネルだ。全4種類あり、どれもPCをモデルにしている。どのパネルを使うか選ぶときにも「うちの社用PCに似てるからこれで!」とコミュニケーションが発生するのも良かった。

 ちなみに記者がプレイしたときは、手番が一巡するたび「今週もよろしくお願いします」といってゲームを始めていた。HENNGEが提供しているようなソリューションのカードを捨てるときは「ちょっと弊社はHENNGEのソリューションを解約(チャーン)します……」と申し訳なさそうにいう局面もあった。

 記者のプレイ時は4人中3人が「地震で出勤できなくなる」赤マスに止まってしまい、ゴールまでのパネルが増えすぎて誰も情シスの鑑になれなかった。この場合勝者ナシとなる。ただ、道中で発生したコミュニケーションが面白かったので、何の問題もなく楽しめた。

 総じて、わいわい会話して楽しむパーティーゲームで、レクリエーションでの使用に適していると思った。ステータスを通して情シスの苦難を、パネルを通して問題への対処を疑似体験するゲームでもあるので、”情シスあるある”“インシデントあるある”を共有できていればいるほど楽しい。

 逆にITの知識が薄い新入社員と一緒に遊んで、専門用語に親しみやすくするとった使い方もできるかもしれない。ただ心理戦や駆け引きをするゲームではないので、ボードゲームに強い戦略性を求める人には向かないと思った。

「ミーティングより気軽な会話を」 制作の背景は

 制作には8カ月かかったという情シスすごろく。HENNGEの安江詠星さん(Customer Success Division Engagement Lead Section)によれば、同社のカスタマーサクセスとマーケターが手を組んで作った作品という。

 「もともとはユーザーコミュニティー間のイベントを考えてる中で生まれたもの。情シスの人もあるあるネタでも盛り上がるが、ミーティングだと雰囲気が固い。ゲームなどわいわいできるものがあれば、もっと気軽に楽しんでもらえると思った」(安江さん)

 制作にあたっては、より情シスに楽しんでもらえるよう、HENNGEのユーザー企業にヒアリングし、現場の声をゲームに取り入れた。例えば、パネルに書いてあるトラブルは全て、HENNGEやそのユーザー企業が実際に体験したり、注意したりしている“ノンフィクション”という。「エナジードリンク」のカードも、ヒアリング先の世代ごとに栄養ドリンクのイメージが異なったので、複数の絵柄を用意した。

 ただ、一般販売はしない方針だ。「HENNGEのユーザーやパートナー、ユーザーコミュニティーの人たちに楽しんでもらうために作ったもの。お金ではなく、そういった方々にプレゼントするので遊んでほしい、という考え方にしている」と板垣慎介さん(Corporate Communication Division Marketing Section Leader)。あくまでユーザーコミュニティー向けの施策の一環として提供するという。

 「HENNGEのユーザーに『こうなってほしい』という理想の姿を取り入れた作品。一般販売するのではなく、HENNGEのユーザー同士やユーザー企業の社内、ユーザー企業と他社という間柄で遊んでもらうのが面白いと思っている」(安江さん)

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