「ボカロはあくまで楽器」 最新「VOCALOID6」にAI採用 人間の再現にこだわりすぎないヤマハの考え(3/3 ページ)
ヤマハが4年ぶりに発売した最新版の「VOCALOID6」。このバージョンからAIを活用した歌声合成に対応した。AI歌声合成システムは人間らしい歌声を生成できるが、ヤマハは人間の再現よりクリエイターにとっての使いやすさを重視していた。
「商業音楽の半分にVOCALOIDが使われること」 ヤマハの目標
「ボカロP」や「ボカロ曲」といった言葉はかなり浸透してきた。かつては「オタク文化」として忌避されることもあった。しかし、ボカロPとしても活躍するミュージシャンはメジャーシーンにも今では普通にいる。NHKの紅白歌合戦では歌い手がボカロ曲を歌うこともあった。
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ヤマハはこのようにボカロPやボカロ曲が注目を集め取材などもされるようになったことで、イベントにも力を入れてきている。
22年2月にはVOCALOIDキャラになれるボーカルオーディションを開催した。今後のイベントも企画中という。
VOCALOIDプロジェクトの立ち上げを担った剣持秀紀さんの著書「ボーカロイド技術論」にはこんな目標が書かれている。
「商業音楽の半分にVOCALOIDが使われること」(86ページ)
この目標はいまだ達成できているとはいえない。しかし「年代によっては50%を超えている」(吉田さん)可能性も十分ある。
YouTuber、バーチャルYouTuber、歌い手など若者が触れるインフルエンサーは当たり前のようにボカロ曲を歌う。JOYSOUNDの2021年年代別カラオケ人極ランキングでも、10代20代ではかなりのボカロ曲が上位に食い込んでいる。ボカロ曲じゃないと思ったら作曲者がボカロPだったなんてこともある。
ヤマハは19年以降、新規のオリジナルVOCALOID音源を発売していなかったが、現在は10件以上の音源を制作中。順次リリースしていく。
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