「カミカゼ・ドローンの呼び方やめて」 ウクライナ情勢巡り米国の非営利団体が声明
ウクライナ情勢の報道で「カミカゼ」という言葉を使わないで──米国の非営利団体がこんな声明を出した。ロシアによる無人ドローンを使った自爆攻撃に関する報道が、アジア系アメリカ人への偏見につながるなどと主張している。
ウクライナ情勢の報道で「カミカゼ」という言葉を使わないで──米国の非営利団体Asian American Journalists Association(AAJA)などは10月21日(現地時間)、報道機関向けにこんな声明を出した。ロシアによる無人ドローンを使った自爆攻撃が「カミカゼ・ドローン」の名で報じられていることを受けた対応という。
AAJAなどは、報道ではカミカゼという言葉が不正確に使われており、アジア系アメリカ人などへの偏見につながる恐れがあると主張。「第二次大戦における大日本帝国の侵略のイメージを呼び起こし、アジア人、アジア系アメリカ人、太平洋諸島に住む人への有害な偏見につながる可能性がある」として、代わりに「self-detonating drones」(自爆ドローン)や「self-detonating UAVs」(自爆UAV)といった言葉を使うよう求めている。
「“神風特攻”は、現代のドローン戦とは何も関係ない。ウクライナ情勢の文脈で、報道機関が過去の歴史的な戦闘技術に言及するもっともな理由はない。新しいテクノロジーが昨今の紛争にどう影響するか、より正確な言葉を使うことを推奨する」(AAJA)
AAJAは1981年設立。アジア系アメリカ人や太平洋諸島に住む人を巡る問題に対し、公正な報道をするよう報道機関に働きかける活動などを行っている。2020年には、新型コロナウイルスを巡る報道に対し「武漢ウイルス」「中国ウイルス」といった呼称を使わないよう求める声明を出していた。
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