5GHz無線LANをオーディオケーブル代わりに 仙台の音響機器会社が技術開発 100m先にも
音響機器の開発や販売を行うミューシグナルは、無線LANを使って音楽を配信する技術「ミュートラックス」を開発したと発表した。10台以上のアクティブスピーカーで同じ音楽を流したり、マルチチャンネルとして利用できる。伝送距離は100m以上という。
音響機器の開発や販売を行うミューシグナル(宮城県仙台市)は11月2日、無線LANを使って音楽を配信する技術「ミュートラックス」を開発したと発表した。10台以上のアクティブスピーカーで同時に音楽を流したり、マルチチャンネルのスピーカーシステムにしたりできる。100m以上距離が離れていても使用できるという。
ミュートラックスは5GHz帯の無線LANに音楽データを乗せて通信を行う。音楽データを全てデジタルデータとして処理するため、各スピーカーの音量や音質、遅延などを自在に制御できるという。各スピーカーから同じ音を再生する以外にも、別々の音の再生もできる。5.1chや7.1chなどのマルチチャンネル音源の再生や、複雑なサウンドスケープの構築も可能としている。
同社は開発の経緯について、従来の有線、無線接続が抱える問題を解決したかったと説明する。「スマホなどの端末をスピーカーに接続し音楽を出力する場合、従来はオーディオケーブルで有線接続か、Bluetoothで無線接続するかの二択だった。しかし、どちらの場合もスピーカーを設置できる距離に限りがある」(同社)
続けて「有線接続の場合、音源とスピーカーの位置を決めてその間の配線工事を行う必要がある。Bluetoothなどの2.4GHz帯域は携帯電話や電子レンジなどの他機器からの影響を受けやすく、飛距離も5〜10m程度に限られるなどの制約がある」と問題点を指摘。これらを解決するためにミュートラックスを開発したという。
現在同社では、一般販売向けのミュートラックスシステムの開発を進めている。第1弾としてPCで再生した音楽をUSB接続のスピーカーや、アンプ内蔵スピーカーから出力する親機と子機のセット「MT-H1」を企画中という。11月下旬よりクラウドファンディングを開始し、一般予約販売の準備を進める予定。
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