LINEのスマートスピーカー終了でも、スマートホームの未来は明るいワケ:知らないと損!?業界最前線(3/4 ページ)
LINEは10月26日、スマートスピーカー「CLOVA」の販売を31日に終了し、音声操作機能も2023年3月30日に終了すると発表した。現在の日本市場ではスマートスピーカーやスマートホームに停滞感がある。そこでスマートスピーカー市場の現在と、スマートホームの明るい未来を紹介したい。
「話す」ことなく、機器が自動で動作する世界
グローバル市場で普及が進んでいるとしても、現在の日本市場において、スマートスピーカーやスマートホームに停滞感があるのは事実だ。スマートスピーカーは、話しかけるだけで家電やガジェットの操作ができるが、設定が難しかったり、電源のオンオフといった単機能しか操作できなかったりと、その利便性は一部のユーザーにしか伝わっていないのが現状だ。
そういった設定の煩雑さを解消し、スマートホームを普及させる鍵となるのが「センサー」だ。
例えば、玄関やトイレに入った瞬間に灯りが点く照明なら、赤外線を利用した「人感センサー」がLED電球や照明器具に内蔵されている。こういったセンサーをトリガーにした家電、ガジェットの自動動作こそが本当のスマートホームの姿だといえる。スマートスピーカーも「マイク」と「音声認識」をトリガーにしたセンサーの1つだ。
これらセンサーを動作のトリガーにした家電は、一部ながらすでに実用化され、販売されている。例えばソフトバンクグループのプラススタイルが発売している「睡眠チェッカー」はベルト状になっており、シーツの下の胸部辺りに敷いて利用することで、眠りの状態を検知できる。
眠りの状態を検知しながら、指定した時間帯の中で眠りの浅いときにカーテンを開ける(連動可能な「スマートカーテン」が別途必要)、といった使い方ができるのだ。これは眠りの浅さをトリガーにした自動動作といえる。
また、日立の冷蔵庫「スマートストッカー」は棚に重量センサーを搭載。棚が事前に指定した重量よりも軽くなると、スマホアプリに通知を送ったり、指定食材を自動で再注文できる(1回目は手動で注文が必要)。
自動注文できる食材は、お茶や野菜ジュース、炭酸水など、常備しておきたい約100種類から選択でき、在庫を気にせずに済む。これも重量センサーをトリガーにしたスマート機能だ。
日立の「スマートストッカー R-KC11R」(実勢価格7万9250円)。冷蔵、チルド、冷凍の切り替えに対応。2段目と5段目に重量センサーを搭載。「Amazonスマートオーダー」に対応することで自動注文を実現している
このほか、設定温度を上回る・下回ると、冷暖房をオン・オフできるエアコンなども登場している。
関連記事
- LINEのAIスピーカー「CLOVA」販売終了へ 音声操作も不可 4月以降はただのBluetoothスピーカーに
LINEは、AIアシスタント「CLOVA」を搭載したスマートスピーカー「CLOVAシリーズ」の端末の販売を31日をもって終了すると発表した。合わせて、同端末の音声操作サービス「CLOVA Assistant」の提供も2023年3月30日をもって終了する。 - 象印も新規参入「オーブンレンジ」激戦区はミドルクラス、子育て世代に人気の背景
ミドルクラスのオーブンレンジが人気だ。実勢価格は、単機能レンジやエントリー帯のオーブンレンジが1〜3万円程度、ミドル帯が5〜8万円程度、ハイエンド・フラッグシップモデルは10〜20万円程度。このミドルクラスオーブンレンジの人気から、日本の子育て世代のニーズが見えてくる。 - パナソニック「指定価格制度」 家電量販店はどう捉えているのか?
パナソニックが「メーカー指定価格」を導入し、話題になっている。一部のフラグシップモデルで販売価格を指定し、値引きを認めないというものだが、家電量販店は在庫リスクを負わずに済む。「指定価格」により、家電量販店は今後どうなっていくのか。また他メーカーは追従していくのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.