無料版「マネーフォワードME」の口座連携数が減った理由 マネフォに実情を聞いた(2/2 ページ)
マネーフォワードが個人向け家計簿サービス「マネーフォワード ME」の無料版の口座連携数を削減する。どんな狙いで上限数を変更するのか。マネーフォワードに聞いた。
──無料で集めた会員を有料化するステージに入ったのではないか? という声もある。
木村氏 いわゆるフリーミアムモデル自体は踏襲している。当社のミッションである「お金を前へ。人生をもっと前へ。」の通り、広くお客さまにサービスを提供したいという思いは変わらない。
──1370万ユーザーのうち、有料のプレミアム会員数は39.8万人。率にすると2.9%で、一般にフリーミアムモデルの適正比率といわれる5%に比べると低い。
木村氏 1370万はアクティブユーザー数ではなく、ダウンロード数だ。アクティブユーザー数は開示していないが、それを分母におくと有料ユーザー比率はもっと高い。そもそも、何パーセントだから高い、低いということは意識していない。有料会員比率を高めるという目標を追い求めているわけでもない。プレミアムの機能を増やすことで、結果として有料比率が上がっていくことを目指している。
──マネーフォワード MEで目指していきたい将来像は?
木村氏 お金の課題を解決したいという思いの中で、マネーフォワードMEで見える化を進めてきた。しかし見える化してもお金の問題は解決していない。ユーザーに話を聞いているときに衝撃的だったことがある。
老後2000万円問題があったときに、「マネーフォワード MEを見て自分の今のお金がいくらかは分かったが、老後2000万円に足りるのかどうか分からない、どうしたらいいのかも分からない。だからほかの金融会社のマネーセミナーを見に行った」と言われた。そういうものが求められているのに、何もできていないと感じた。
今後は、そこに道筋を立てていく。ユーザーの課題を解決するソリューションとして金融関連サービスを紹介したり提供したりしていく。そのようにして、ユーザーのお金の問題を解決する中で、そこから収益を上げるのが健全な形だろう。
──今回の制限変更で10年、20年、本当に提供できるようになるのか。
木村氏 したいと思っている。(無料ユーザーへの制約は)毎月のように変更できるようなものではない。未来永劫変えないというものではないが、コロコロ変えるようなものではない。お約束はできないが、気持ちとしてはこのまましっかりやっていきたい。
関連記事
- 無料版「マネーフォワード ME」の口座連携数に制限 12月から4件に
マネーフォワードは、個人向けの資産・家計管理ツール「マネーフォワード ME」で無料会員の機能に制限を設けると発表した。無料会員の金融関連サービスの連携可能数を10件から4件に変更する。 - マネーフォワード経営陣の本棚をのぞき見 影響を受けた本は?
今をときめくIT・Web関連企業の経営者の本棚や愛読書をのぞき見。現代社会で戦うIT経営者たちがどんな考え方に影響を受けているのか、ヒントを探る。今回は、マネーフォワード経営陣の本棚や愛読書をのぞき見る。 - マネフォ、インボイス対応に向け7つの新機能 実装スケジュールも公開
マネーフォワードは11月4日、インボイス制度対応に向けた新機能の詳細と開発ロードマップを公開した。 - マネフォ、創業来最大の赤字でも”絶好調” SaaS ARRは43%増加し150億円突破
マネーフォワードは10月17日、2022年11月期第3四半期(6-8月)の決算を発表した。四半期の営業利益は25億1000万の赤字、第3四半期までの累計は63.6億円の赤字となった。一方で、業績としては絶好調だ。 - SaaS企業で働くみんなのデスク環境 経営陣からエンジニアまで写真でチェック マネフォ編
SaaS企業で働く人のデスク環境を写真や本人のコメント付きで紹介。経営陣からエンジニア、管理部門まで、さまざまな社員がどんな環境で働いているかをチェックする。今回は、経費精算SaaSなどを提供するマネーフォワードで働く人のデスク周り。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.