「Appleのポリシーに従ってアプリのNFT転送機能を無効にした」とCoinbase
表した。AppleからNFT転送をアプリ内購入で行うよう求められたが、技術的にそれが不可能だからと説明している。
暗号資産(仮想通貨)事業を手掛ける米Coinbaseは12月1日(現地時間)、暗号資産管理アプリ「Coinbase Wallet」のiOS版に搭載していたNFT送信機能を無効にしたとツイートで発表した。この機能を無効にするまで米Appleがアプリの更新をブロックしたためと説明している。
Coinbase Walletは、「暗号資産やNFT、DeFiアクティビティ、デジタル資産を管理できる、イーサリアムとソラナに対応したWeb3ウォレットおよびWeb3ブラウザ」だ。
Coinbaseはツイートで、「iOS版Coinbase WalletでNFTを送信できなくなったことに気づいた方もいるでしょう。Appleが、この機能を無効にするまでアプリの更新をブロックするとしたためです」と述べた。Coinbaseによると、AppleがNFTの送信はアプリ内購入システムを介して行い、30%の手数料(いわゆる「Apple税」)を支払う必要があると主張しているという。
だが、Appleのアプリ内購入システムは暗号化をサポートしていないため、対応したくてもできないとCoinbaseは説明する。「NFTとブロックチェーンの仕組みを理解していれば、これが(技術的に)不可能なことは明らかでしょう」。
既にiPhoneのウォレットにNFTを保有しているユーザーは、この制限により、NFTを他のウォレットに転送したり、誰かに贈ることが非常に難しくなるという。
Appleは10月、「App Store Reviewガイドライン」を更新し、「アプリ内課金以外の方法で、ユーザーを何らかの購入に誘導するボタン、外部リンク、その他の機能をアプリに含めないことを条件として、他のユーザーが所有するNFTコレクションをブラウズすることをユーザーに許可することも可能です」と明記した。
CoinbaseはAppleとの会話を望んでいるともツイートした。
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