freee経営陣はどんな本を読んでいる? 本棚のぞき見:IT経営者の本棚(2/4 ページ)
今をときめくIT・Web関連企業の経営者の本棚や愛読書をのぞき見。現代社会で戦うIT経営者たちがどんな考え方に影響を受けているのか、ヒントを探る。今回は、freee経営陣の本棚や愛読書をのぞき見る。
横路隆取締役CTOの本棚・愛読書
読んでいる本の傾向
「本は自分と世界の接点」という信念で、さまざまなジャンルの本に触れています。もともと家族みんな本が大好きなのですが、引っ越しを機に家中を本棚にしてみました。図書館に住んでいるみたいで気に入っています。
5年前くらいには物理本を全部売って電子書籍で買い直したのですが、今回は逆に物理本で全部買い直しました。物理だと「本と目が合う」体験ができて素晴らしいです。
電子書籍だとよく読む本と新刊だけが視界にあり、ロングテイル(ニッチな本)は自ら意思を持って検索しにいかないと目に入らないのですが、物理本に囲まれていると自然とロングテイルがいつも視界に入ります。頭の片隅の潜在課題とマッチングした本が目に入った瞬間にピンときて、まさにそれが「本と目が合う」という感覚です。
特に気に入っている・印象に残っている本
1冊目は「存在しない女たち〜男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く〜」(キャロライン・クリアド=ペレス著)。これからの世界で娘をどう育てるか、なぜエンジニアを志す女性がまだこんなに少ないのか、という自分たちにとって重大な問いに、自分の意見を持つために読んだ本です。
妻との最大の口論の火種であり、事実と感情を切り分けて主張や議論を整理するのがこんなに難しいのかと日々痛感していますが、これからも向き合い続けるテーマです。
2冊目は「モダニスト・キュイジーヌ〜現代料理のすべて〜」(マイアーボールド・ネイサン、ビレット・マキシム著)。Microsoft初代CTOによる、調理技術の歴史とイノベーションについて書かれた本です。
個人の優れたアイデア・パッション・スキルが、テクノロジーに裏打ちされた方法で世の中に広く受け入れられ浸透していくというのは、freeeがスモールビジネスに対して自らに課したミッションそのものであり、大胆で鮮烈なページをめくるたびにその一端に触れられて勇気をもらえる本です。
横路隆さんのプロフィール
松江育ち。慶應義塾大学大学院修了。学生時代よりビジネス向けシステム開発に携わる。ソニーを経て、freee株式会社を共同創業。
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