「W杯コスト」で約12億円の営業赤字、サイバーエージェント1Q決算 ゲーム事業も“ウマ娘前”水準に?
サイバーエージェントは1月25日、2023年9月期第1四半期(10-12月)の決算を発表した。売上高は1675億7700万円で、前年同期比2.1%減。営業損益は12億5500万円の赤字、最終損益は50億200万円の赤字となった。
サイバーエージェントは1月25日、2023年9月期第1四半期(10-12月)の決算を発表した。売上高は1675億7700万円で、前年同期比2.1%減。営業損益は12億5500万円の赤字(前年同期は198億400万円の黒字)、最終損益は50億200万円の赤字(同60億9100万円の黒字)に転落した。
同社にとっては「かなり久しぶり」(サイバーエージェント代表藤田晋氏)という四半期での営業赤字転落だが、主な要因としてABEMAに付随する「2022 FIFAワールドカップ」関連コストを第1四半期に計上したためであり、「あくまで一過性。第2四半期以降は通常に戻る」(藤田氏)としている。なお、放映権など関連コストの総額については「守秘義務で言えない」と回答を避けた。
ABEMAを中心とするメディア事業の売上高は334億円(前年同期比34.0%増)を記録したが、先述のワールドカップ関連コストで営業損益は93億円の赤字を計上した。藤田氏は、売り上げなどワールドカップの効果について「即効性はない」としつつも、配信のクオリティや直感的なUIなどは視聴者からの評価も高く、「(ABEMAの)価値が大きく向上した」と振り返る。
「視聴者の支持も増えたし、たくさんのコンテンツホルダーもABEMAの価値を認めてくれるようになった。大物の出演者の話もあったし、広告主も増えてきた」(藤田氏)と手応えを感じたようだ。ワールドカップ期間中のWAU(Weekly Active User)は過去最高の3409万。ユーザーの残存数(W杯以降も継続視聴しているユーザー)も、当初目標を上回ったとしている。特にバラエティ、スポーツ、格闘技は、コンテンツに都度課金する「ペイパービュー」も好調という。
広告事業は景況感の悪化を受けつつも売上高は956億円で前年同期比12.7%増、営業利益は50億円で同13.0%減。一方、ゲーム事業は売上高が409億円(同29.9%減)、営業利益は52億円(69.6%減)と大幅ダウン。爆発的ヒットを記録した「ウマ娘 プリティーダービー」以前の水準に戻りつつあるようにみえる。
藤田氏は「毎年第1四半期はあまり良くない」と、各タイトルのリリースが1〜3月に集中しており、周年イベントが控えているからと説明。2月はウマ娘の周年イベントなどを予定しており「すでに1月の数字はだいぶ良くなっている」と説明。新タイトルも控えており、第2四半期に期待を寄せた。
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