裏話を語るYouTubeが話題 V字回復でトップシェアの「レグザ」に聞いた:知らないと損!?業界最前線(4/5 ページ)
日経新聞が1月6日、レグザの国内テレビ首位を報じた。レグザブランドは2006年発足。順調にシェアの伸ばすが、東芝の不正会計疑惑などで人気は急降下する。現在世界第2位のテレビメーカー・ハイセンスの傘下となったのが18年だ。このV字回復の軌跡を聞いた。
SNS戦略や販売店強化でトップシェアに
親会社となったハイセンスは、世界第2位のテレビメーカーだ。そのためテレビの製造や調達などで得られる利点は、想像以上に多かった。
ハイセンス傘下になってからもそれまでと変わらない、レグザに求められる機能を実現していったことで、シェアは改善。コスト競争力の高い小型モデルでシェアを獲得しつつ、フラグシップモデルでは、これがレグザだといわんばかり、徹底的にこだわったマニアックな機能を実現していった。
「22年は3年ぶりに全面刷新した高画質処理エンジン『レグザエンジンZRα』搭載の4K有機ELレグザ『X9900Lシリーズ』やレグザ初のMini LED搭載した4K液晶レグザ『Z875シリーズ』を市場投入することができました。高画質・高音質に加え、タイムシフトマシンなどレグザならではのユニークな機能がお客様から高く評価されました」(笹川氏)
さらに製品だけでなく、販売面やSNS施策も力を入れた。22年はワールドカップがあり、テレビの販売が促進される年でもあった。そこで6月より、俳優の小栗旬さんを起用した新CM発表し、市場に投下。また販売店向けの内覧会や説明会も積極的に行ったという。
「22年は当社として初めて、販売店様向けに札幌から福岡までをカバーした全国新商品内覧会を大々的に行いました。この連携強化が実売台数の拡大などの良い成果につながったと思います」(笹川氏)
そして、面白いところで注目集めているのがレグザの公式のYouTubeチャンネルだ。ブランド統括マネージャーの本村裕史氏と人気声優の小岩井ことりさんが登場し、レグザに関する裏話や仕様書にない話などが語られる。さまざまな情報を遠慮なく話すスタイルが人気を集め、23年1月にはチャンネル登録者数が1万人を突破しているのだ。これもレグザファンの拡大と、購入したユーザーの満足度向上につながっている。
レグザを開発している技術陣や評論家などが多数登場し、レグザに関する技術や画質、音質、歴史などを語り合う企業チャンネルらしくないYouTubeが人気を集めている。また公式Twitterのフォロワー数は20万人を超える
レグザが薄型テレビの国内シェアで22年にトップとなったのは、低価格のエントリーモデルをネット対応に振った製品の企画力、全チャンネルをまるごと録画できるタイムシフトマシンなどの独自機能の開発力、そして量販店やSNSによる販売力と拡散力など、各方面への企業努力が積み重なって実現したといえるだろう。
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