「Twitter API有料化」の影響範囲は? 現状から予想できること(2/2 ページ)
「Twitter APIの無料提供を終了する」という米Twitter。詳細はまだ分からないが、現状からどんなシナリオが予想できるか、シナリオごとに影響範囲を考察してみたい。
最も懸念すべきは検索API利用
以上の2パターンのシナリオを考察してみると、どちらであっても検索API利用は非常に厳しい状況だ。検索APIを利用しているマーケターや研究者は特に、有料化を前提として来週の発表を待つのがよさそうだ。
有料化の先にあり得る「禁じられた利用法」
有料化の範囲がどうであれ、Twitter API利用はいままで以上に制限があるものになる。そのときに何が起きるか、と考えるとそれは「APIを使わないTwitter利用」ではないだろうか。
つまり、Twitter Webの画面表示を利用した情報取得や操作(スクレイピング)だ。ツイートをするならプログラムに投稿ボタンを押させてそこにテキストを流し込めばいい。特定アカウントのツイートを取得したいならプロフィール画面を開いてプログラムに読み込ませればいい。
こういうことは技術的には可能だ。しかしTwitter社は、利用規約でスクレイピングをはっきりと禁じている。当たり前だがTwitter Webの画面はプログラムで操作されることは想定していないし、APIを提供している以上はそれ以外の操作方法は望まないということでもある。
しかし、無料の正規ルート(API)がもし完全になくなるのであれば、コンプライアンスを重視する大企業などはともかく、外部監視の目がない個人利用や小規模な利用では「禁止されていても、お金はかけられないからスクレイピングする」という方向に流れることも予想できる。
おそらくは、API利用に比べスクレイピングの方がTwitter社にとってはサーバ負荷も高い。スクレイピングが横行すればサーバの運用コスト増が想定される他、特にひどい利用に対する法的措置を含めた対応にもコストがかかる恐れがある。API利用であればTwitter社側で容易に追えるはずの利用動向もスクレイピングからは取得が難しくなる。
Twitter API有料化はTwitter社収益改善の一環であるはずだが、本当に収益につながる形になるのか。来週の詳細発表に注目したい。
関連記事
- Twitter、APIを有料化へ 無料提供は9日で終了 「詳細は来週発表する」
米Twitterは、Twitter APIの無料提供を2月9日で終了すると発表した。 - Twitter API有料化、アカウント認証には影響なし? 「ブルアカ」「アズレン」のYostarが「Twitter社に確認」
ゲーム開発会社のYostarが、米Twitterが2月2日に表した無料APIの提供停止を巡り、Twitterアカウントを使ったログインには影響がない見通しを示した。Twitter社に確認を取ったという。 - Twitter、タイムライン表示の「おすすめ」強制をまずはWebアプリで終了
Twitterは、1月10日からロールアウトしたタイムラインのタブの表示方法を、まずはWebアプリで改善した。ユーザーがアプリを閉じたときに選択していたタイムラインで再開できる。モバイルアプリでも「間もなく」改善される見込み。 - 「Twitterの無駄機能を全部殺せる」で話題のブラウザ拡張「Tweak New Twitter」が日本語対応
TwitterのUI・UXをカスタマイズできるブラウザ拡張「Tweak New Twitter」が日本語に対応。各種設定を日本語のメニューから変更できるようになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.