“オンプレ企業”がパブリッククラウドに移行しない最大の理由 情シス100人超に調査
オンプレミスサーバを活用している企業の情報システム部門は、パブリッククラウドへの移行にどの程度前向きなのか──クラウドの活用支援などを手掛ける企業が、情シス109人への調査結果を発表した。
オンプレミスサーバを活用している企業の情報システム部門は、パブリッククラウドへの移行にどの程度前向きなのか──クラウドの活用支援などを手掛けるクラウドエース(東京都千代田区)は、オンプレサーバの管理を手掛ける情シス109人に調査を実施。2月14日にその結果を発表した。
パブリッククラウド移行の検討状況を聞いたところ、「考えている」は52.3%、「考えていない」は38.5%だった。残りは2.8%が「分からない/既に移行済み」と回答。6.4%が「パブリッククラウドを知らない」と答えた。
パブリッククラウド導入を検討していると答えた人に、移行の具体的なスケジュールを聞いたところ、最多は「3カ月以内に移行する」(38.6%)だった。次いで多かったのは「半年以内」(19.3%)で、3番目は「1カ月以内」と「1年以内」が同率(12.3%)。「1年より先を予定」(7%)、「未定」(10.5%)といった回答もあった。
ただし移行に向けての懸念がある人もあるようだ。移行を検討中の人に、パブリッククラウド活用に当たっての不安を複数回答で聞いたところ「セキュリティに不安がある」(57.9%)、「開発会社が選べない」(43.9%)、「サポート費用を試算できない」(31.6%)といった答えがあった。
移行しない理由は「メリットが分からない」が最多
そもそも、なぜパブリッククラウド移行を検討する情シスが出てくるのか。現状のサーバ管理の問題を109人全員に複数回答で聞いたところ、最も多いのは「バージョンアップ、セキュリティパッチ適用などの運用管理」(47.7%)だった。
2番目は「機密情報や個人情報などの漏えい対策」と「運用管理に対応する人がいない」(43.1%)が同率。他にも「設置スペースの削減」(21.1%)、「大量のケーブルによる弊害」(16.5%)といった回答もあった。
それでもパブリッククラウド活用を検討しない人に理由を聞いたところ、最も多いのは「メリットが分からないから」(35.7%)だった。他にも「特にリソースが変わらず必要性を感じていないから」(33.3%)、「移行に関する技術的なリソースが不足しているから」(23.8%)などの声があった。
調査は2月3日から6日にかけてネット上でのアンケートで実施した。
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