電帳法にメリットを感じる大企業、課題感先行の中小企業 その違いは? Sansan調査
電帳法に対し、大企業と中小企業では捉え方が真逆なようだ。Sansanが行った調査によると、大企業の6割が電帳法にメリットを感じている一方、中小・中堅企業は6割がデメリットを感じているという結果となった。
2年間の猶予措置も2023年いっぱいで終了し、本格的に対応が始まる電子帳簿保存法(電帳法)。しかし、大企業と中小企業では捉え方が真逆なようだ。インボイス管理サービス「Bill One」を運営するSansanが行った調査によると、大企業の6割が電帳法にメリットを感じている一方、中小・中堅企業は6割がデメリットを感じているという結果となった。
まず電帳法への対応状況は大企業が先行している。大企業の76%が対応を済ませているのに対し、中堅企業では59.9%、中小企業では37.6%と、規模が小さくなるにつれて対応は後手に回っている。
今回の電帳法では、電子データで受け取った書類をプリントアウトしての保管が認められず、電子のまま保管しなくてはいけない点が大きな変更点だ。こうした点に対し、すでに対応済みの大企業の62.2%が「メリットのほうが大きい」としている一方、中小・中堅企業では約57%が「デメリットのほうが大きい」と逆転している。
大企業がメリットとして挙げたのは、電帳法を契機として「書類のペーパーレス化が進んだ」ことだ。紙からデータに移行したことで、請求書を処理する時間が減り、探すのも容易になった。
一方の中小・中堅がデメリットが大きいと感じた理由は何か。実は電帳法に対応したサービスを導入せず、自社のみで対応した場合に特にデメリットを感じているようだ。中小・中堅ともに、理由のトップには「業務フローが複雑になった」が上がった。また請求書を処理する時間が増えたこともデメリットとしてあげられた。
今回の調査は1月25日〜2月3日にかけて、全国の請求書を取り扱う業務を担当するビジネスパーソン1000人に対し、オンラインで行われた。
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