高校生が学園祭の配信システムをAWSで自作 奈良・西大和学園「技術統括局」の活躍、本人たちに聞いた(4/4 ページ)
学園祭の映像配信システムや、チケット管理システムをAWSで自作した高校生たち。取り組みの一部始終と、学校がGOサインを出した理由を、本人たちに聞いた。
今後の進路は? 最後に聞いてみた
企画・開発・運用までを自らの手でやり遂げた技術統括局。ただ、栗栖さんや吉田さん、渡部さんは次の春から高校3年生。受験も始めることから、すでに引退しており、今後の技術統括局は後輩たちが運営していくという。
「後輩たちも、クラウドを課題解決の手段として使ってくれたらうれしい。もし後輩たちがそうしてくれたのであれば、何かしらサポートはしていきたい」(栗栖さん)
最後に、3人に今後の進路について聞いてみた。
「これまでは情報系以外で考えていたが、今回でクラウドの可能性を実感しており、そこを学んでいきたい。情報系に進学したいと考えている」(栗栖さん)
「情報系や工学部に進学したい。3Dを使ったゲーム開発や、3D関係のエンジニアのサポート、もしくはエンジニアそのものとして活動していきたい。また3D制作に当たってハイスペックなPCを自作したとき、電子基板などにも興味が出たので、そういうところに進学したい」(吉田さん)
「将来の夢として、世界をもう1個作りたいと思っている。それには現在のサーバやプログラミングなどでは解決できない問題が山積みで、そもそも根本から考え直す必要があると思う。自分の手で全て開拓して、電脳世界をもう1個作りたい。それを実現するには電子系・情報系の工学部や理学部がいいと思っている。ただ、実現にはさまざまな分野に手を伸ばさなければいけないので、本当は自然科学を全部学びたい」(渡部さん)
【訂正:2023年3月2日午後7時】 清榮祭について、当初「まるまる1週間開催する生徒主導の催し」としておりましたが、「準備期間+本番2日のまる1週間取り組む生徒主導の催し」に訂正しました
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