何かと話題になるタワマン、防災は今どうなっているのか?:デジタル防災を始めよう(5/5 ページ)
現在マンションデベロッパーはタワーマンションの防災についてどう考え、行動しているのだろうか。避難訓練に密着し、被災時の食事、水道、エレベーター、トイレなど防災の実際をリポート。
今回の防災訓練は、三菱地所グループ企業の社員によって構成される「防災倶楽部」が運営をサポートした。「建物や設備といったハード面だけを整えてもダメ。住民も一体となって防災を考えないと意味がない」という考えだ。
社員の自主活動ではあるものの、活動は業務扱いになるという。担当者は「関東大震災以来、毎年防災訓練を行うなど防災の取り組みを会社として行ってきたDNAがあるので、防災に関係することが『当たり前のこと』として認識されているのではないでしょうか」と話していた。
今回のような活動以外にも三菱地所では「防災計画提案書」などの雛形を作成し、物件ごとに災害時にどのような設備利用をするか、非常用設備はどう使うのかという資料を管理会社や管理組合に共有している。
野村不動産でも「防災設備ガイド」として物件の非常用設備の利活用方法や、何がどこに収納されているかなどのリストなどを提供。管理会社や組合と共同で、防災訓練や「マンション知ってみ隊」という設備案内をするイベントを通し、周知と理解に努めているという。
本来、デベロッパーは物件を引き渡した後は明らかな瑕疵(かし)でもない限り対応する義務はない。しかしこと防災面では、ハードウェア(建物、設備)に詳しい専門家の存在は住民にとっても心強いもの。デベロッパー側も積極的に関わっていく姿勢で「他社さんもそうだと思いますが、売主としての対応はできるだけしたいと思っています」(三菱地所)と話していた。
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