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ステーブルコインUSDC、SVB破綻でドル連動はずれる
米Circleが発行する米ドル連動のステーブルコインUSDCの価格が3月11日、大きく下落しドルとの連動性が外れた。一時、1USDCが0.88ドルと10%あまりも価格がかい離した。現在は0.99ドルと戻ってきている。
米Circleが発行する米ドル連動のステーブルコインUSD Coin(USDC)の価格が3月11日、大きく下落しドルとの連動性が外れた。一時、1USDCが0.88ドルと10%あまりも価格がかい離した。現在は0.99ドルと戻ってきている。
3月10日に破綻した米銀行のSilicon Valley Bank(SVB)に、USDCの準備金が預けられていたことが発端。ステーブルコインは発行額と同額の法定通貨や国債などを準備金として用意することで、価値を担保している。
USDCの準備金約430億ドルのうち、1月末時点では87億ドルがSVBに預けられていた。直近の報道では33億ドルがSVBにあったという。
SVB預金の取り扱いが不透明な中、USDCの価格は乱高下したが、現地時間12日に米財務省などがシリコンバレー銀行の預金を全額保護するという声明を発表。USDCの価格も落ち着きを取り戻した。
価格の変動が激しい仮想通貨に対し、法定通貨と価格が連動するステーブルコインは、決済に利用できるデジタル通貨として期待されている。一方で、アルゴリズムによって法定通貨連動を保とうとしたステーブルコイン、LUNA-USTが2022年5月に崩壊するなど、運営上の課題も残る。USDCは裏付け資産に対し監査を入れるなど、信頼度の高いステーブルコインとして知られてきたが、銀行破綻が波及した形だ。
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