高校生約30人中2人以上が消費トラブル経験あり 消費者庁が調査 被害者ほどリテラシーが低い傾向に
消費者庁が、高校生と消費者トラブルの関係について「フリマアプリ利用者は被害経験が多い」「被害経験者はリテラシーテストの点数が低い」「消費者教育をした学校の生徒は被害が少ない」といった調査結果を発表した。
消費者庁は3月13日、高校生と消費者トラブルの関係について「フリマアプリ利用者は被害経験が多い」「被害経験者はリテラシーテストの点数が低い」「消費者教育をした学校の生徒は被害が少ない」といった調査結果を発表した。
調査は徳島県の高校生(有効回答数4627件)と高校教員(有効回答数38件)を対象に実施。教育の実施具合やリテラシーの有無、ネット注文の利用数と、被害状況について調べた。被害は「届いた商品が壊れていた」「機能や品質が粗悪だった」「商品が届かずお金だけ取られた」「詐欺に遭い、お金を払った」の4項目。
商品が届かずお金を取られた生徒は全体の約5.9%(271人)で、約30人のクラスに2人程度いる計算になる。詐欺に遭いお金を払った生徒も約3.2%(146人)で、1クラスに1人いる割合となった。
ゲームやアプリ、LINEスタンプを購入したことがない生徒で、お金だけ取られたのは4.4%だったのに対し、1週間に1回以上購入していた生徒は12.4%が同様の被害に遭っていることも分かった。フリマアプリについても、使ったことがない生徒の被害割合は4.5%、週に1回以上使う生徒の場合は22.8%と差がついた。いずれも利用頻度が高いほど被害割合も高かった。
消費生活に関するクイズ(10問、10点満点)の点数と被害状況についても比較した。「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験が「全くない」生徒の平均点は6.2点、「複数回あった」生徒は4.6点であった。「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」経験が「全くない」生徒の平均点は6.1点、「複数回あった」生徒は3.7点だった。
教育と被害の関係も調査した。外部講師による出前授業を実施した学校としなかった学校で比較したところ、お金だけ取られた生徒の割合は授業ありの場合で5.5%、なしの場合で7.2%だった。詐欺被害者の割合も授業ありで2.8%、なしで4.4%になった。
また、ゲーム形式の教材を使った消費者教育では、実施回数が多いほど被害割合が下がる結果が得られた。
結果を受け、消費者庁は「さらなる検証が求められるが、外部講師による出前講座の実施やゲーム形式教材の利用といった消費者教育実施に当たっての工夫は、生徒が特に重大な消費者トラブルに遭うことを防ぐ効果がある可能性も示唆されている」としている。
関連記事
- 「ラルクのSS席を買ったはずなのにS席だった」──消費者庁、コンサート事業者に措置命令 サイトの座席表示が“優良誤認”
消費者庁が、コンサート提供事業者3社に景品表示法に基づいて措置命令を行ったと発表した。3社は2022年5月に開催した「L'Arc-en-Ciel」のコンサートにおいて、公式サイトやチケットサイトに誤解を招く座席表を掲載していた。 - 偽物の「浄水カートリッジ」が流通 Amazonや楽天でも 消費者庁が注意喚起
消費者庁はLIXILなどの浄水カートリッジの模倣品が大手ECサイトなどで販売されているとして注意喚起を行った。LIXILは消費者が正規品を確実に購入できるよう4月から直販サイトに販路を限定する。 - 国が定める「ステマ」の基準は 消費者庁が案を公開 意見募集スタート
消費者庁がステルスマーケティングの法的定義と運用基準案を公開し、意見募集を始めた。資料は政府情報サイト「e-Gov」で閲覧できる。募集期間は2月23日まで。 - ステマは「不当表示」に 消費者庁が規制の方向性を示す
「ステルスマーケティングに関する検討会」が、ステルスマーケティングは規制の必要性があるとする報告書をまとめた。現状は広告であるとの表示がない広告でも、不当表示がなければ規制できないが、ステマそのものを不当表示の一つとする方針を示した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.