非エンジニアだけどGPT-4でアプリ作ってみた 経験ゼロでも欲しい機能ができちゃった(2/2 ページ)
IT業界を騒がせる次世代大規模言語モデル「GPT-4」。非エンジニアの記者でも、GPT-4を使えば悩み事を解決するアプリができてしまった。
自分でやったらできちゃった 感じた脅威と可能性
今回作ったものはかなりシンプルで、他に直すべきところも多い。実際に使うなら毎回コマンドを打っていられないし、一度変換したらinフォルダ内の画像を消してほしい。ただ、一連の不満も今回と同じようにGPT-4に聞いたら解決するだろう。
重要なのは、恐らく「コマンドプロンプト」や「実行環境」の概念すらない人でも、やろうと思えば同じことができる点だ。もちろん、知識がある人に比べれば時間も手間もかかるが、業務課題を自分で解決できてしまう可能性がある。ノーコード・ローコードツールや、導入の容易さをウリとしたSaaSのベンダーにとっては脅威だろう。自分でやればいいのだから。
ようやく動き始めたプログラミング教育も、内容に見直しが必要かもしれない。今回やったように、別にプログラミングの知識がなくても欲しい機能は作れるからだ。少なくとも「AIでできるんじゃないの?」という子供からの疑問に準備しておく必要はありそうだ。
ただ、ITエンジニアが完全に今すぐ廃業になるかというと多分いい過ぎだ。今回、記者は目当ての機能を作るのに2時間ほどかかった。すでに知識のある人ならもっと短く、使いやすいものを作れるはずだろう。より複雑・大規模なものを作ろうと思えば、もう少し上手に要件を文章化する必要もあるはずだ。
そこで必要になる知識・能力は、非エンジニアが一朝一夕で獲得できるものではないと思う。エンジニアとそうでない人の差が縮まったのは間違いない。ただ、基礎的なIT知識はどうしても必要だ。考え方を養う上でのプログラミング教育も無駄にはならないだろう。むしろ、知識を生かして適切な文章(プロンプト)でAIに指示をする能力こそが、同じようにGPT-4でサービスや機能を作る人と競争するには必要そうだと感じた。
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