Twitterのマスク氏、BBCのインタビューで「Twitterを買ったのは訴えられたから仕方なく」
Twitterのイーロン・マスク氏は本社ビルでBBCのインタビューに応じた。「経営は「ジェットコースターのようだ」が状況は「順調だ」と。同時に配信した「スペース」では「Xアプリ」構想にも言及した。
米Twitterを自身の企業X Corp.に統合したイーロン・マスク氏は4月11日(現地時間)、英BBCのインタビューに応じ、Twitterの買収やXアプリ構想などについて語った。
このインタビューは、Twitterの本社ビル内で約10分間行われた。マスク氏のツイートによると「私がBBCはTwitterに来ればいいんだと言ったら、驚いたことに記者が現れた」という。インタビューしたジェームス・クレイトン氏はサンフランシスコ在住のBBCの北米テクノロジー担当の記者だ。インタビューはマスク氏が自らのスペースでもライブ配信した。
クレイトン氏が「裁判所が強制したからTwitterを買ったんですか?」と尋ねると、マスク氏はそうだと認め、Twitterの経営は「かなり苦痛であり、ジェットコースターのよう」だと語った。
それでも現在は広告主が戻ってきており、状況は「かなり順調」であり、ユーザーも増加しているとも。
従業員の大量解雇については、約1500人にまで従業員をへらすのは大変だったが、全員を直接解雇したわけではないと語った。
仕事量は多く、「オフィスで寝ることもある」とハードコアぶりについても語った。
物議をかもすツイートについて問われると、「午前3時以降はツイートすべきではないと思う」と述べた。
CEOを辞任することについては、「何度も言っているように、私はTwitterのCEOではない。CEOはうちの犬だ」と語った。同氏は以前、自分の愛犬のフロキがCEOになったとツイートしている。
BBCに米NPRと同様に「政府出資メディア」というラベルを表示していることについてクレイトン氏が尋ねると、「BBCがこのラベルを喜んでいないことは知っている」「BBCが自分で使っている表現を使えば問題ないだろう」とし、ラベルを「publicly-funded」(公的資金)に変更するつもりだと語り、「私はBBCに敬意を払っている」と付け加えた。インタビューの数時間後、BBCのラベルは変更された。
インタビュー後に設けられたスペース参加者とのQ&Aでは、Xアプリ構想についても言及した。マスク氏は昨年10月に「Twitterを買収するのは、なんでもできるアプリ「X」の開発を促進するためだ」とツイートしている。
インタビューの完全版はBBCのWebサイトで聴くことができる。
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