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ネット専用「Tracersオールカントリー」は実質コスト最安を目ざすのか? 日興AMに聞く(2/3 ページ)

競合eMAXIS Slimオールカントリーの、約半分の信託報酬が話題の「Tracersオールカントリー」の設定が始まった。日興アセットマネジメントは、なぜここまで低コストな投信を投入するのか。同社の商品開発部長兼ETFビジネス開発部長の有賀潤一郎氏に聞いた。

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低コスト化できた要因

――ここまで低コスト化できた要因は?

有賀氏 販売会社、運用会社、信託銀行の3社のコラボで、徹底してコストを削減して実現した。Tracersオールカントリーには、3つのマザーファンドがあり、MSCI World Index(MSCIコクサイ)とMSCI Emerging Markets Index(MSCIエマージング)はすでに3600億円規模になっている。オールカントリーの実現のために、MSCI Japan Index(MSCIジャパン)という日本株を扱うマザーファンドだけを新設した形だ。


3つのマザーファンドを持つTracersオールカントリー。うち2つは3600億円規模の巨大ファンドだ

 MSCIジャパンはオールカントリーインデックス投信を作るには必要なパーツ。これはできれば何かの形でほかにも使えないかとは思うし、日本株なので執行コストも本当に安く運営できる。ここは、投資家に信託報酬を上乗せするような要素ではない。割合も小さいのでインパクトも小さい。

 全体としては、かなり規模の経済性が働くところに、ベビーファンドとしてTracersオールカントリーを用意した形だ。

――現在のところ販売会社はSBI証券だけだ。

 SBI証券にはいちばん最初に賛同いただき、最初の販売会社になっていただいた。他の販売会社についてもいつか採用いただきたいと考えているが、販売会社の取り分を非常に低く設定しているため、ハードルは高いと認識している。それでも、時期などが整えば、採用いただける可能性は高い。


販売会社の取り分も0.0175%と極めて低い。なおSBI証券は、投信保有者に付与する投信マイレージの付与率を、Tracersオールカントリーについては0.0175%としている

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