歌詞を入力するだけでAIが作曲、歌ってくれる「SongR」話題 日本でも研究されてきた技術
Webブラウザから英語の歌詞を入力するだけで、AIが作曲して楽曲を自動生成する「SongR」が話題だ。日本語の歌詞なら、別の日本のサービスがおすすめだ。
Webブラウザから英語詞を入力するだけで、AIが作曲して歌詞入りの楽曲を自動生成する米国のサービス「SongR」が話題だ。同様なサービスはこれまでにもあったが、ポップスやピアノロックなどから曲調が選べることや、歌声が自然なことなどが特徴だ。
同様なサービスは日本でも以前から研究されており、Webから使いやすいものとしては「CREEVO」(クリーボ)などがある。日本語歌詞を試したい人は、日本のサービスを利用するといいだろう。
話題のSongRは、米国のベンチャー企業RIFFITのサービスだ。
ポップス、ピアノロックの他、ヒップホップ、カフェから曲調を選び、英語で750文字以内のテキストを入力した上で、「エミリー」(女声)か「ケビン」(男声)を選んで30秒ほど待つと、入力した歌詞と曲調、歌声で歌を自動生成する。生成された歌はダウンロードして公開できるため、国内外で多くのユーザーがTwitterなどで曲を公開している。
日本の自動作曲AIは
AIによる自動作曲は、日本でも以前から研究されてきた。2007年には東京大学が、日本語歌詞から自動でAI作曲する「Orpheus」(オルフェイス)を発表して話題に。システムは2023年現在でも公開されており、無料で利用することができる。
京都大学が2020年に公開した作曲AI「CREEVO」(クリーボ)も同様のサービス。ユーザーの評価を基にして新しいAIモデルが生まれ続けるのが特徴だ。名古屋工業大学の歌声合成技術「Sinsy」(しぃんしぃ)を活用している。
筆者は、日本語で作った歌詞を、アルファベットにして「SongR」に歌わせてみた後、日本語のまま「CREEVO」に歌わせてみた。当然ながら、日本語の歌詞はCREEVOのほうが自然に聞こえたので、日本語歌詞で作曲AIを試したい人には「CREEVO」がおすすめだ。
関連記事
- AIだけで曲を作ったら”人っぽい部分”が見えてきた 作詞作曲、歌、仕上げも全部AI
AI歌声合成ソフト「NEUTRINO」が2月に登場し、話題になったのを見て、私は「作詞や作曲、仕上げをするAIはすでにある。AIだけで曲を作れるのではないか」と考えた。全工程をAIが担当した楽曲を作ってみると、AIの人間らしさや、AIとの関わり方が見えてきた。 - 機械が作った音楽は人の心を動かすか 「AIで自動作曲」研究するワケ
人工知能は作曲家になれるのか? 自動作曲システム「Orpheus」の開発者に、自動作曲が浸透した時代の音楽文化はどうなっていくのかを聞いた。 - 元歌手と判別できないレベルのAI歌声合成、名古屋工業大学と音声ベンチャーが開発
聴いてみればわかるが、人間の歌だ。上手い人は上手く、それなりの人はそれなりに。 - 歌声から伴奏を生成するAI「SingSong」 Googleが技術開発
Google Researchに所属する研究者らがは、歌声からその歌に適した伴奏を生成する機械学習モデルを提案した研究報告を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.