販売禁止「磁石セット」めぐり経産省が追加情報 「ホビー用は販売できる」
経済産業省は17日、ホビーに使用するネオジム磁石は新たな規制の対象外と明示する文書を公開した。これを受け、ホビー材料メーカーのハイキューパーツは販売中止を撤回した。
経済産業省の製品安全課は5月17日、ホビーに使用するネオジム磁石は新たな規制の対象外と明示する文書を公開した。これを受け、ホビー材料メーカーのハイキューパーツ(山口県山口市)は16日に発表していた自社製品の販売中止を撤回した。
経産省は「DIYの材料や模型等に使用されるホビー材料として販売されるネオジム磁石については(中略)今般の規制の対象外としており、これまでどおりの販売をしていただくことが可能です」としている。
16日に発表した新たな規制では、強力な磁石を複数個用いる「マグネットセット」を販売禁止とした。子どもが複数の磁石を誤飲し、腸壁を挟んで強力な磁石が引き合うことにより開腹手術による摘出が必要となった事故が22年までに11件発生するなど危険性が高いためだ。
しかし規制対象の条件として挙げていた磁束密度を満たす製品は子ども向けの玩具以外にもあり、これが誤解を招いた。ハイキューパーツは16日、自社製品22種が規制対象になるとして販売中止を発表。それを知った経産省の担当課が直接同社に連絡をとり、規制対象外であると伝えたという。
「経済産業省の製品安全課から連絡がありまして、規制対象の指定に不明瞭な部分があり、ご迷惑をおかけいたしました。貴社の製品は対象外である、と連絡がありました。結果からいいますと、規制の対象ではないとのことです」(ハイキューパーツの発表資料より)
今回の文書は、こうした誤解を避けるために追加で公開したもの。一連の発表を受け、SNSではハイキューパーツ製品を愛用するモデラーや模型愛好家らが喜びの声を上げている。
ハイキューパーツは「いずれにしても、製品を乳幼児に触らせないように十分注意をお願いします」としている。
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