Neuralinkの脳埋め込みチップにFDAがゴーサイン 被験者募集開始へ
イーロン・マスク氏率いるNeuralinkは、同社の脳埋め込みチップの人間による臨床試験をFDAが承認したと発表した。既に豚やサルでの実験は実施中だ。「臨床試験への予備的適格性を判断する」ための“患者登録”を募集している。
イーロン・マスク氏が2016年に創業した米Neuralinkは5月25日(現地時間)、神経記録・データ送信デバイス「Link」を人間に埋め込む臨床試験の認証を米FDA(食品医薬品局)から取得したとツイートで発表した。
マスク氏は昨年11月に開催したイベントで、半年以内にデバイスを人間の脳に埋め込めるようになると語った。このデバイスは、脳の活動でコンピュータなどを直接制御できるようにするためのものだ。
臨床試験の被験者募集はまだ始まっていないが、公式サイトには「患者登録」コーナーがある。これは「将来のNeuralinkの臨床試験への予備的適格性を判断する」ためのものという。
応募条件は、米国在住の18歳以上で、四肢麻痺、対麻痺、視力喪失、難聴、および/または話す能力がない人。患者登録した場合、臨床試験を受けられる可能性がある。
昨年11月のイベントでは、デバイスを埋め込んだサルが画面上のキーボードを操作して自分の欲しいスナックを獲得する動画が披露された。
Linkは専用の手術ロボットで脳に埋め込む。ロボットは脳をスキャンするカメラとセンサーを備え、患者が頭部を入れて固定すれば「1時間足らずで無痛でインプラントでき、入院の必要もない」という。ロボットは頭蓋骨の一部を切り取って5ミクロンのワイヤーの束を血管を回避しつつ脳に埋め込む。切り取った穴にLinkがすっぽりはまるので、術後は外から分からないようになる。
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