日本人ならすぐ吹ける? イタリアからやってきた電子リコーダー「ルナティカ」に挑戦:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)
イタリアのARTinoiseが開発した、電子リコーダー的な楽器ガジェット「lunatica」が日本上陸。手にして驚くのは、普通のリコーダーのようなサイズと軽さ、そして電源なしでアコースティック楽器としても演奏できてしまうことだ。
「バッテリーはほとんど完全に放電された後に充電することをお勧めします、連続的に充電するのは避けてください。また、lunaticaはかなり頑丈ですが、強烈な衝撃を与えないでください。水に浸けてはいけませんし、非常な高温にさらすのもNGです(車のダッシュボード上に忘れないでください!!!)。外側は柔らかく乾いた布で拭くだけで、きれいになります。内部については、付属品の棒に小さな布片やティッシュを巻き付けて掃除できます」
使っていて気になっていたことに、充電が速いのだけど、その分、放電も速く数日放置するだけで、バッテリー残量がゼロになるのだけど、これは、使用直前に充電するという用途の基の設計のようだ。基本構造はリコーダーなので、リコーダー同様、ボディを振って唾液を切るのは構わないということ。あまりに、軽く、普通のリコーダーのように使えるので、つい水洗いしたくなるが、それは厳禁。そこは本当に惜しいと思う。
機能的な部分をMIDIアプリに任せてシンプルな構造のリコーダーに各種センサーを装着して、なるべく軽量に仕上げるというコンセプトは、そのアイデア自体の完成度が高い。本体に音源を内蔵せず、それのみでは電子楽器として動作しないが、PCやスマホとワイヤレスでつなげばこれまでにない演奏が楽しめる。実際、リコーダー程度の軽い楽器でシンセサイザーソロのような演奏ができるのはかなり新鮮だ。
ただ、ほとんどの機能をアプリに任せている関係上、ブレス、リップ、タッチのセンサーの切り替えもアプリ側で行う必要がある。その点を尋ねたところ、「私たちは、動作の切り替えを大幅に簡単にするモードの開発に取り組んでいます。例えば、音色をドラムにすると、アプリは自動的にフィンガリングとキーボードモードを順番に設定し、ユーザーがこれら全てを行う必要がなくなるといったもの。アプリは、多くのユーザーの意見を取り入れて開発中です」とのことだった。
日本の一介のライターからの質問に、丁寧に答えてくれる姿勢も含め、メーカー自身が、この一見ありそうだけれど、製品として登場してしまうと決定的に新しい「楽器」の新しさを自覚して、育てていこうとしているのがうれしい。
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