Shokz「OpenFit」はテレワーク向きの“掛けっぱなしイヤフォン”だった(3/3 ページ)
骨伝導で名をはせたShokzがオープンイヤーイヤフォンに参入。しかも「究極の着け心地にこだわった」という。いしたにまさきさんによるレビューをお届け。
ホントに音漏れしないの?
付け心地がよく連続利用も問題ないとして、音漏れするようであればオープンイヤーの意味がありません。OpenFitは逆位相を利用して外部への音漏れを抑えつつ、耳方向への音圧を高めるというアプローチで、個人差はかなりあるとは思いますが、かなり抑えめでも十分に聞こえます。通常のイヤフォンとの比較でいうと、半分ぐらいでいいと思いました。
そして、音漏れは最大音量してようやく少し周囲に聞こえるというレベル。ただし、最大音量にすると低音で本体が振動するほどになりますので、そこはご注意ください。
いやいや音量や音質はどうなのか?
OpenFitのドライバーは楕円形のダイナミック型、つまり小さなスピーカーです。オープンイヤーですから、音量を大きくして音楽に浸るような用途にはそもそも向いていません。とはいえ、高音の粒立ちの良さと伝わってくる低音の心地よさは特筆できるものです。
そして、人の声はホントによく聞こえます。テストとして、とあるITイベントのライブ配信動画を見ていましたが、人の声がストレートに聞こえてくる感じは、非常に心地よく話がよく聞こえてくる印象となりました。
OpenFitは音量を低めにして、外の音はちゃんと聞こえる状態でBGMとして音楽がずっと流れているという状況が想定される用途に適しています。その状況を考えれば、この音質はほぼ最高の部類なのではないかと思います。
さて、個々の気になるポイントを確認しましたが、結論としては、OpenFitは在宅勤務があり、オフィスにいてもビデオ会議もそれなりにあるという今の生活にマッチしたオープンイヤーワイヤレスイヤフォンといえます。
別の言い方をすれば、これが今後のオープンイヤーワイヤレスイヤフォンの標準となっていくマスターピースのような製品であると考えていいでしょう。
【訂正:2023年5月31日20時20分更新 ※初掲載時、タイトルに骨伝導と表記していましたが、OpenFitは骨伝導ではありません。お詫びして訂正します。2023年6月1日13時20分更新 ※ドライバーと音漏れを防ぐ技術に関する記述を加えました】
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