ルンバ、犬や猫を避けるようになる 「iRobot OS 6」投入、成長する家電アピール
アイロボットは1日、ロボット掃除機「ルンバ」の新しいソフトウェア「iRobot OS 6.0」を発表した。アップデートによる進化をアピールし、他社製品との差別化を図る。
米iRobotの日本法人であるアイロボットジャパンは6月1日、ロボット掃除機「ルンバ」の新しいソフトウェア「iRobot OS 6.0」を発表した。アップデートによる進化をアピールし、他社製品との差別化を図る考え。
iRobot OS 6.0では、新たに1)犬と猫を認識して回避するようになった、2)室内の高速マッピング、3)部屋の自動ラベリング機能などを追加した。室内のマップ作成時間は最大7倍に高速化し、完成と同時に家具を認識する。宅内のマップが完成するとユーザーに「キッチン」「リビング」など部屋の名前を提案し、掃除時間や掃除方法のカスタマイズを促す。
既に一部ユーザーから導入が進んでおり、ユーザー調査では「猫がそばを通ると(ルンバは)止まって回避してくれた」「子どもが進行方向を妨害した際に、違うルートから清掃していた」といった感想が寄せられているという。
これらは主にカメラを搭載した上位モデルを対象としたアップデートだが、下位モデルにも恩恵はある。例えば21年発売の「ルンバ i3」は、iRobot OS 6を適用すると1日に発表した新製品「ルンバ i5」と同等になる(i3とi5はハードウェアが共通)。
アイロボットジャパンで製品&戦略開発担当ディレクターを務める山内洋さんは、PCやスマートフォンを例にソフトウェアの重要性を訴えた。「かつてPCは、ハードウェアがキングだった(=スペック最重視)。しかしWindows 95の登場を機にソフトウェアの時代に変わった。今もスマートフォンを買うときは、まずiOSかAndroidかを選ぶ。それが体験を左右することが分かっているからだ」。
同社は20年にルンバのソフトウェアを「iRobot Genius(ジーニアス)」と名付け、22年11月には「iRobot OS」へ変更。Genius時代を含めて5回の大規模アップデートを実施し「同じルンバを使い続けていても常に最新の機能を使える」とアピールしてきた。OSのバージョンナンバーは進化の証でもある。
アイロボットジャパンの山田毅執行役員は、iRobot OSが世界中のユーザーからのフィードバックで進化を続ける「ユーザー参加型のシステム」とした上で、「Wi-Fi対応のルンバは世界中で1700万台以上が稼働している。これがiRobotの強みだ」と胸を張った。
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