早川書房、同じ内容の電子書籍が付いた新書を発売 NFT化で“中古電子書籍市場”にも期待
早川書房は1日、新書レーベル「ハヤカワ新書」を立ち上げ、紙の新書にNFT化された電子書籍が付いてくる「NFT電子書籍付」版を発売すると発表した。20日から5冊を販売する。
早川書房は6月1日、新書レーベル「ハヤカワ新書」を立ち上げ、紙の新書にNFT化された電子書籍が付いてくる「NFT電子書籍付」版を発売すると発表した。20日から5冊を販売する。
電子出版取次大手のメディアドゥ(東京都千代田区)の技術を採用、電子書籍ファイル(EPUB)をNFT化した。購入した人は、例えば紙の本を自宅でゆっくり読み、外出先ではスマートフォンで続きを読むなど使い分けられる。電子書籍版のビューアーにはメディアドゥの「FanTopアプリ」を使用する。
NFT化した書籍は、ブロックチェーン技術によって持ち主の証明が行える。これを利用し、メディアドゥは自社のNFTマーケットプレイス「FanTop」内で電子書籍の二次流通の仕組みを提供するという。
これまで本の二次流通は、古書店で本が売れても著者や出版社には何も還元されないことが問題視されてきた。しかしNFTを活用した二次流通なら売買が行われるたびに権利者へ収益を分配できる。「権利者に対し継続的に適切な収益を還元するプラットフォームの実現を目指す」(メディアドゥ)。
またFanTop上では「ギフト送信」機能を使って他のFanTop会員と電子書籍のプレゼントなども可能。例えば家族や友人と距離を問わず、お勧めの本の貸し借りが行える。ギフト送信の可否は出版社が作品ごとに設定できる。
早川書房は「NFT電子書籍によって電子書籍の二次流通市場ができることで、読者には利便性を高めてもらい、著作者をはじめとする関係者にとっては、出版活動を前進できる環境になると考えます。新しい技術と出版が融合することで、素晴らしい化学変化が生まれることに期待しています」としている。
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