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待望のAppleシリコン化なのに…… 「Mac Pro」の実物を見て感じてしまった“チグハグ”さ(2/3 ページ)

最後のIntelチップ搭載マシンだった「Mac Pro」がApple Silicon化した。「Mac Studio」と同じく「M2 Max」「M2 Ultra」を搭載するが、実機を見て違和感を覚えた。コンセプトがチグハグなのだ。

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省スペースが特徴のAppleシリコン 不可解な「Mac Pro」の大きさ

 もうひとつのハードウェアはMac Pro。

 しかし、少々意外な事に、外見はインテルモデルとまったく同じだ。


外観はインテル世代のものと区別がつかないMac Pro

 搭載コアなどの事実上の仕様はM2 Ultra搭載のMac Studioとほぼ同様。おそらく冷却能力による若干の違い以外、M2 Ultra搭載のMac StudioとMac Proのパフォーマンスには差がないはずである。

 M2 Ultraのパフォーマンスで十分だとはいえ、ちょっと意外な発表ではあった。むしろ、とにかく脱インテルを達成するために、M2 Ultra搭載のMac Studioの中身を搭載しただけ……というようなうがったものの見方もできる。


すべてがコアに集約されたApple Silicon世代では、Mac Proの中身に余白が多い

 そもそも、Mac Proは大きな電力と、CPUとGPUから出てくる膨大な発熱に対応するためのボディデザインなのに、Apple Siliconは発熱が少ないのだから、なんだか無駄なデザインではないかと思ってしまう。

 もちろん、M2 Ultraもそれなりに発熱はするのだろうが、ちょっとコンセプトがちぐはぐな気がするのだ。M2 UltraのGPU性能だとアフターバーナーは不要……とは言ったものの、Apple Siliconの仕様上拡張できない部分が多いのは致し方ない。


こちらはIntelプロセッサのMac Pro。左上にCPU、下に見える巨大なユニット群がGPUやAfterBurner。それぞれM2 Max/Ultraだとワンチップでまとまっている部分だ

 この辺をアップルに聞いたところ「Apple Siliconはあまり熱を発生しないが、PCI Express拡張スロットに差し込むボードには多くの電力を消費し、熱を発生するものが多い。それゆえ、放熱性の良い筐体は重要だ」という回答だった。

 あと一番気になるのは、メモリー搭載量だろう。もちろん、インテルMacとApple Silicon搭載機ではメモリーの使い方が違うから同列には語れないが、最大メモリー搭載量が192GBでは困るという仕事の方もいるのではないだろうか? なにしろ、インテル版のMac Proの最大メモリー搭載量は1.5TBで、モジュールによる拡張も可能だったのだから、その点においてはかなりのスペックダウンだ。


Mac Proに搭載されたM2 Ultra。チップとしてみるとその大きさに驚くが、これに高性能CPU/GPUのダイとメモリが組み込まれている。実装スペースは驚くほど小さい(6月8日訂正:初出時、SoC周辺の黒いチップをメモリと表記しておりましたが、SoCのパッケージにメモリも統合されているため表記を修正しました)

再びIntelプロセッサに戻る。メモリは右上にあるスロットで最大1.5TBまで増設できた。スペースは取るものの、Apple Silicon版と異なり拡張性に優れた

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