この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS LambdaでRuby 3.2の利用が可能に、初のRuby 3.xサポート。Ruby 2.7のサポートは2023年12月で終了」(2023年6月14日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon Web Services(AWS)は、同社のサーバレス基板「AWS Lambda」でRuby 3.2ランタイムのサポートを開始したと発表しました。
これまでサポートされていたのはRuby 2.7でしたので、AWS Lambdaとしては初めてのRuby 3.xのサポートとなります。
Rubyは2.xから3.xへのバージョンアップにおいて実行速度の向上を大きな目標としていました。特に今回サポートされたRuby 3.2では、Ruby 3.1でメインラインにマージされ、安定して稼働する実用段階に到達したJITコンパイラ「YJIT」が搭載されています。
YJITは、ECサイト構築サービスで知られるShopifyが開発を進めてきたもので、大規模なRailsアプリケーションにおいて、より高い性能向上を目指して開発されました。当然ながらRailsを使わないRubyのコードの実行速度も向上しています。
そのほか、Ruby 3.0で導入されたスレッドセーフな並列処理を実現する制御機構「Ractor」、Ruby 3.2で行われた正規表現の処理を行うRegexpのマッチングアルゴリズムの改善による高速化など、最新のRuby言語の機能がAWS Lambdaで利用可能になっています。
これまでAWS LambdaでサポートされてきたRuby 2.7は、2023年12月7日でサポート終了予定となっています。AWS LambdaでRubyを利用していた開発者は、Ruby 3.2対応へと計画的なバージョンアップを行うことが必要となります。
関連記事
- AWS米国リージョンで約4時間の障害 米公共機関やルンバ、マックにも影響か すでに復旧
米Amazon Web Servicesのクラウドサービスで、6月14日午後3時49分から午前7時47分(日本時間、以下同)にかけて障害が発生した。米公共機関のWebサイトなどに影響が出たが、すでに復旧した。 - “AWSたまごっち”の裏側、AWS日本法人が公開 IoTサービスをフル活用
米AWSの日本法人が「たまごっちユニ」のシステム構成図などを公式ブログで公開。IoTサービスを中心に、AWSのクラウドサービスを活用したという。 - Google Cloud、AWSやAzureと10Gbps/100Gbpsの専用回線でインターコネクトできる「Cross-Cloud Interconnect」
Google CloudとAWSやMicrosoft Azureを10Gbpsもしくは100Gbpsの専用回線を通じてインターコネクト可能なネットワークサービス「Cross-Cloud Interconnect」が登場。Oracle Cloud、Alibaba Cloudにも対応する。 - グローバルのクラウドインフラ市場シェア、AWSとAzureの差が9ポイントにまで縮まる 2023年第1四半期、Synergy ResearchとCanalysの調査結果
調査会社の米Synergy Research GroupとシンガポールCanalysが、2023年第1四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表。AWSとAzureの差が縮まりつつある。 - 「Amazon CodeCatalyst」が正式サービスに AWS上で開発環境一式、コードリポジトリからテンプレートコード、IDE、CI/CDパイプラインまでを丸ごと提供
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.