Google、偽レビューで強化した偽ビジネスプロフィール販売業者を提訴
Googleは、多業種の偽の「ビジネスプロフィール」を大量に作成して販売した業者を提訴した。被告は350件ものビジネスプロフィールを偽のレビューで強化した上で企業に売った。Googleは、昨年だけで2000万件の偽ビジネスプロフィール作成を阻止した。
米Googleは6月16日(現地時間)、同社のサービス上で大量の偽の「ビジネスプロフィール」を作成し、それを大量の偽レビューで強化して悪用したグループをカリフォルニア北部地区連邦地裁に提訴したと発表した。
被告はロサンゼルス在住のイーサン・フー氏とそのグループ。350件の多業種の偽ビジネスプロフィールを1万4000件の偽レビューで裏付けた上で、企業に売りつけていたという。本来ビジネスプロフィールを作成するにはGoogleとのハガキか電話での確認が必要で、取得しても実際のレビューでプレゼンスを高めるには時間がかかる。
フー氏はビジネスプロフィールを販売しただけでなく、偽のビジネスのWebサイトをFacebookで販売していた。たとえば以下の画像は、1カ月に40件の電話での問い合わせと5件のフォームへの入力があったサイトを1000ドルで売るという投稿だ。
Googleは、「ユーザーはGoogleを信頼できる結果を提供するサービスだと信じている。偽レビューはその信頼を失わせる」とし、「この訴訟は悪意ある人がわれわれの製品を悪用するのを見過ごすわけにはいかないという意識を高めるため」のものだと語った。
同社は、人間とテクノロジーで24時間体制でサービスを監視しており、2022年だけでも18万5000社以上の企業を悪用から保護したとしている。また、同年には2000万件の偽ビジネスプロフィール作成を阻止したという。
また、消費者を欺く偽レビューに対処するため、米連邦取引委員会(FTC)などの規制当局と協力しているとも語った。「今後も、積極的な訴訟やテクノロジーへの投資を通じて、企業と消費者の双方の信頼と安全を優先し、プラットフォーム全体の情報の信頼性を確保していく」。
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