AWSは引退したサーバを分解修理し、データセンターで再利用していた ハードウェアの寿命を延ばす目的
米Amazon Web Services(AWS)が、引退したサーバやスイッチを分解修理し、データセンターで再利用していたことを明らかに。動画で詳細を公開した。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS、引退を迎えたサーバラックのサーバやスイッチを分解修理し、データセンターで再利用していることを明らかに。ハードウェアの製品寿命をできるだけ延ばすのが目的」(2023年6月20日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Amazon Web Services(AWS)は世界中に大規模なデータセンターを展開しており、そこでは何十万台ものサーバやネットワークスイッチなどが稼働しています。
同社はそこで一定の時期を迎えて引退したラックに搭載された多数のサーバやスイッチを分解修理し、テストし、再びデータセンターで利用していることを明らかにしました。
これにより既存のハードウェアの製品寿命をできるだけ延ばすことを目的としていると説明しています。
説明によると、引退時期を迎えたサーバラックはまずデータを安全に消去したうえで、世界中の主要なリージョンに設置されている「リバースロジスティクスハブ」に送られます。リバースロジスティクスハブは、IT資産処分センターと、故障解析ラボ(FAラボ)で構成されています。
ここでラックは分解され、サーバやスイッチが引き抜かれて個々の部品のテストに回されます。
ここでNitroカード、スイッチ、電源ユニット、メモリモジュール、GPU、光ファイバーなどの主要なコンポーネントに分けられ、再利用に向けてテストと必要に応じて修理が行われます。
テストによって同社の品質検査を満たしたコンポーネントはデータセンターに戻されて在庫となり、再利用されることになるとのことです。
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