住友商事、共通IT基盤にAWS採用 グループ約900社をカバー
住友商事が、グループ900社が共通で使うIT基盤「SCデジタル基盤」にAWSを採用したと発表した。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目的に、既存システムなどを従来のプライベートクラウド環境から移行中という。
住友商事は6月22日、グループ900社が共通で使うIT基盤「SCデジタル基盤」にAWSを採用したと発表した。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目的に、既存システムなどを従来のプライベートクラウド環境から移行中という。
SCデジタル基盤は住友商事の基幹システムなど、グループ各社のシステムやITサービスの提供基盤として使うもの。同社グループはこれまで、共通IT基盤として自社で構築したプライベートクラウドや、他社が提供するプライベートクラウドサービスを利用していた。
しかしデータ利活用の促進や、システム間の連携性向上を見込んでAWS化するという。パブリッククラウドに一本化する背景については「中途半端にオンプレミスがある方がコスト管理や設計が複雑になる。どうしてもオンプレミスで動かしたいシステムもないので、最終的にフルクラウド化しないと効率的な設計にならない」(塩谷渉理事)としている。
SCデジタル基盤は2021年から構築・移行を始めており、同年10月ごろから新規サービスの提供などでの活用を始めている。ただし全社でAWSのみしか使わないわけではなく、事業によっては他社クラウドも利用する方針。現在プライベートクラウドで運用しているシステムを全て移行するのには3〜4年かかる見込みという。
AWSを選定したのは、移行を支援するパートナー企業の影響だ。17年からIT基盤の保守運用を担当してきたグループ内のSIer・SCSKにAWSの活用実績があったことから、両社で協議の上決定したという。
新基盤ではAWSの東京リージョン・大阪リージョンを併用し、耐障害性を高めている。運用・保守などはSCSKが担当。基盤上にあるシステム同士のデータ連携や、外部サービスとの接続も可能で、グループ全体でのデータ利活用の推進につなげるという。
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