Google DeepMindのCEO、ChatGPT競合の次世代モデル「Gemini」を語る
Google DeepMindのハサビスCEOがWiredのインタビューで「Gemini」について語った。Geminiは“次世代基盤モデル”。AlphaGoの長所と大規模言語モデルを組み合わせたものと説明した。
米Google傘下のGoogle DeepMindのデミス・ハサビスCEOが、“次世代基盤モデル”の「Gemini」について、6月26日付の米Wiredのインタビューで語った。記事のタイトルは「次のアルゴリズムはChatGPTを超えると発言」となっている。
Geminiは、今年のGoogle I/Oで初めて紹介された。Googleのスンダー・ピチャイCEOは「マルチモーダルでツールとAPIの効率的な統合のためにゼロから構築したモデル」と説明した。
ハサビス氏はインタビューで、Geminiは、大まかに言うと、AlphaGoタイプの深層強化学習によるシステムの長所と大規模言語モデルの機能を組み合わせたものと考えることができると語った。また、「非常に興味深い新たなイノベーションも幾つかある」とも。
同氏によると、Geminiは開発中で、完成にはまだ数カ月かかるという。
ハサビス氏は5月、AIリスクに関する声明に署名した1人だ。
同氏はWiredのインタビューで、AIには驚くべき潜在的メリットがあるので、開発を停止しないことが不可欠だと語った。また、一時停止を強いるのはほぼ不可能で非現実的だと考えているという。
ハサビス氏によると、AIについての最大の課題の1つは、AIがもたらすリスクがどんなものかを判断することだという。「評価テストなどの分野での研究を緊急に行う必要があると思う」。Geminiには、安全策を組み込んでおり、「これらの安全策が機能しないと考える理由はない」と語った。
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