Google、AGIのある未来を目指しGoogle DeepMind立ち上げ
Alphabet傘下のGoogleは、自社のAI部門Google Brainと系列のDeepMindを統合し、Google DeepMindの立ち上げを発表した。CEOに就任するDeepMindのハサビス氏は、「史上最大の変革を推進するAGIの未来により早く到達できる」と語った。
米Alphabet傘下のGoogleは4月20日(現地時間)、2014年に買収し、現在はAlphabet傘下の英DeepMindとGoogle Brain Teamを統合し、Google傘下のGoogle DeepMindという企業にすると発表した。
CEOは、現在DeepMindのCEOを務めるデミス・ハサビス氏。Google Brainの責任者、ジェフ・ディーン氏はGoogleのチーフサイエンティストに昇格し、Google ResearchとGoogle DeepMindのチーフサイエンティストを兼任する。ディーン氏はAlphabetおよびGoogleのCEO、スンダー・ピチャイ氏の直属になる。
Google Researchは今後もアルゴリズムやプライバシー、量子コンピューティング、ヘルスケア、責任あるAIなどの分野への取り組みを続ける。
ピチャイ氏は、新ユニットが「AIの進歩を大幅に加速する」と語った。
ハサビス氏はDeepMindの従業員宛の公開書簡で「AIそしてAGI(Artificial General Intelligence;汎用人工知能)は、歴史上最大の社会的、経済的、科学的変革を推進する可能性を秘めている」とし、「Google DeepMindの設立により、その未来により早く到達できると信じている」と語った。
チーフサイエンティストのディーン氏はかつて、AIを悪の手先にしないためにGoogleが取り組でいることについて説明した人物。2020年にはLLMの危険性に警鐘を鳴らした倫理的AIチームの共同リーダー、ティムニット・ゲブル氏の解雇に関わった。
GoogleはピチャイCEOの下、10年近く「AIファースト」を提唱してきたが、米OpenAIが昨年11月に「ChatGPT」を公開し、今年の2月には米MicrosoftがGPT採用の「新しいBing」を公開するなど、競合の動きが活発になっている。
Googleは「新しいBing」発表の前日にChatGPT競合のチャットbot「Bard」を発表し、3月に一般公開した。
同社はWorkspaceにも「年内に生成型AI採用の新機能を追加する」と説明した。
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