Googleもカナダのオンラインニュース法可決を受け、サービスからニュースを削除すると警告
Googleは、カナダが「Online News Act」をこのまま発効させれば、カナダ国内での同社サービスでのニュースの表示を遮断すると発表。この法案は、メディアへのリンク表示でGoogleとMetaに料金支払いを義務付けるもの。Metaもカナダでのニュース提供を終了すると発表した。
米Googleは6月29日(現地時間)、カナダ議会が22日に法案「Online News Act」(オンラインニュース法)を可決したことを受け、カナダ国内でカナダのニュースをGoogle検索やGoogleニュースから遮断すると発表した。この法案は6か月以内に発効する見込みだ。
同社の法務顧問、ケント・ウォーカー氏は公式ブログで、カナダはこの法案で「他の企業は無料で行っているニュースへのリンクを表示するだけで2社に料金を支払うよう義務付けた」と主張した。
2社というのは、Googleと米Metaのことだ。Metaは既に、カナダでのFacebookとInstagramでのニュースの提供を終了すると宣言済みだ。
Googleは、日本でも提供している「ニュースショーケース」プログラムで、カナダのメディアと交渉しており、メディアが広告や新規購読者獲得を通じて収益を得るのを支援してきたと主張する。
オーストラリアでも2年前、同様の法律が発効したが、GoogleとMetaがニュースを一時的にブロックしたことを受け、修正された。
カナダの法案でも同じアプローチを取ろうとして建設的なフィードバックを繰り返し提供してきたが、受け入れられなかったという。
今後も法案発効までに規制プロセスに参加し、「政府が実行可能な道筋を示してくれることを期待する」としている。「カナダの人々がこの法案によってオンラインでニュースを見つけにくくなり、メディアへの貴重な無料トラフィックが減少することを懸念している」。
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