経済産業省の「電力・ガス取引監視等委員会」は、新電力のグランデータ(東京都豊島区)に対し、6月26日付で業務改善勧告を行ったと発表した。同社は4月27日に業務改善指導を受けていた。
グランデータは2022年5月、燃料費調整額の算出方法を変更した際、約23万件の利用者にSMSを使って通知したが、内容が十分ではなかった。電気事業法で義務づけられている書面も交付しなかった。
委員会は「通知には変更内容が記載されておらず、それだけで内容を理解することは困難。通知に記載されたURLからWebサイトを表示しても変更内容を十分に理解できるものになっていなかった」と指摘する。
同年12月に燃料費調整額の算出方法を再度変更した際にも約15万件にSMSなどで内容を通知したが、これも十分ではなかった。
さらに委員会は、加入の勧誘をしていた業務委託先が、他の小売電気事業者の名称に酷似した文言を表示するWebサイトを使い、誤解を招いたと指摘。委託先に対する指導・監督が十分ではなかった点も指導している。
グランデータを巡っては今年3月に「電気代が異様に高い」「解約できない」などとSNSで話題に。また「東京電力や関西電力などと勘違いをするWebを見た」といった問い合わせに対し、グランデータは自社が運営しているものではないとした上で、当該サイトに厳しく改善依頼を行うとしていた。
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