「エアコン我慢しないで」 5月の熱中症搬送者は一昨年の2.2倍、3割は住居で
消防庁によると5月に熱中症で救急搬送された人は全国で3647人(速報値)と前年を1000人近く上回った。発生場所では「住居」が3割近くを占めた。
消防庁によると5月に熱中症で救急搬送された人は全国で3647人(速報値)と前年を1000人近く上回った。発生場所では「住居」が3割近くを占め、節電のためエアコンの使用を控える“エアコン控え”も懸念される。
消防庁によると、5月は前半こそ週に500人を下回るペースで推移していたが、東京都心で真夏日が2日連続で観測されるなど記録的な暑さになった中旬以降に搬送件数が急増。第3週は1763人と前年同期の約6倍だった。
5月の1カ月間で搬送された人は、2021年が1646人、22年は2668人、今年は3647人。2年連続で1000人前後も増え、今年は21年の2.2倍になった。
エアコンや扇風機があっても適切に使用しないと家の中でも熱中症になる場合がある。5月の搬送件数で最も多い発生場所は「住居」(29.1%)だった。
一方で電力各社の値上げが相次ぎ、家計への負担を心配してエアコンの使用を控える人が増えている。5月にパナソニックが行ったアンケート調査(対象は20〜60代の男女1106人)では、節電のために「今年の夏はエアコンの使用を我慢する」と答えた人が、昨年の38%より6ポイント増えて44%だった。
同社は「エアコンの冷房は我慢せずに入れましょう」と指摘。また設定温度の質問でも、理想の温度と実際の設定温度が異なり、「我慢する傾向」が見られたという。
熱中症対策を呼び掛ける「『熱中症ゼロへ』プロジェクト」を展開する日本気象協会も「自分のいる環境や状態に合わせて適切に冷房機器などを活用し、涼しい環境を保ってほしい。特に高齢者は温度に対する感覚が弱くなるため、室内でも熱中症には特に注意が必要」と警鐘を鳴らしている。
6月は気温だけでなく湿度も上がり、5月以上に熱中症の危険が高まる。東京消防庁は4日、22年6月に都内で搬送した「熱中症(疑い含む)」の人は、同年5月の10倍だったとして対策を呼び掛けた。
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