夏に起きやすい“ガジェット事故” モバイルバッテリーや携帯扇風機の発火に注意 NITEが呼び掛け
NITEが、梅雨明け・夏に起きやすい携帯用扇風機やモバイルバッテリーの発火・焼損事故について注意を呼び掛けている。製造・販売元の確かでない製品が増える他、室温が高くなり故障のリスクが高まることから、製品の安全な選び方や使い方を案内している。
製品評価技術基盤機構(NITE)は6月27日、梅雨明け・夏に起きやすい充電式携帯扇風機やモバイルバッテリーの発火・焼損事故について注意を呼び掛けた。製造・販売元の確かでない製品が増える他、室温が高くなり故障のリスクが高まることから、製品の安全な選び方や使い方を案内している。
まず携帯扇風機については、過去にも製造・輸入・販売元の不確かな製品による事故が起きていると注意喚起した。例えば2020年には、兵庫県の男性がネット通販で買った携帯扇風機を充電していたところ、バッテリーがショートして異常発熱し、扇風機や周辺にあるものが燃える火災事故が起きたという。
NITEは「事業者が不確かな製品は、事故後に問い合わせても対応してもらえない、もしくはそもそも連絡先が分からないケースもある」と指摘。リコールなどの措置がなされない可能性もあることから、製品を選ぶときは事業者と連絡が取れるものを探すよう呼び掛けている。
また充電時は異常がないか定期的に確認し、近くに物を置かないよう注意喚起。就寝時の充電も「事故に気付けない可能性がある」という。落としたり、強い衝撃が加わったりした携帯扇風機についても、内部のバッテリーがショートしており、発火・発煙のリスクがあるとして、利用を控えるよう呼び掛けている。
モバイルバッテリーについては、リチウムイオンバッテリーを使った製品を車内など高温の状況で放置した結果、出火する事故が起きていると注意喚起。リチウムイオンバッテリーを内蔵したPC・携帯電話やモバイルバッテリーは車内に放置しないよう呼び掛けている。特に直射日光が当たるダッシュボードの上などは高温になりやすいという。
他にも、洗濯機でレインウェアを洗う行為にも注意を呼び掛けている。防水性の衣料・繊維製品を洗濯・脱水すると、洗濯槽の中に水がたまったままの状態になる場合がある。そのまま脱水すると、たまった水が急速に移動・回転し、洗濯機が転倒して周囲の壁・床・物を破損したり、衣類が損傷したりするおそれがあるという。
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