2023年の国内クラウド市場規模は7兆円超 従来型のIT市場規模を上回る見込み IDCジャパン
調査会社のIDCジャパンが、、2022年〜2027年の国内クラウド市場予測を発表。内エンタープライズIT市場における従来型ITを超える規模まで拡大するとの予測も明かした。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「今年(2023年)の国内クラウド市場規模が7兆円超となり、従来型のIT市場規模を上回ることが明らかに。IDCジャパン」(2023年7月5日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
調査会社のIDCジャパンは、2022年〜2027年の国内クラウド市場予測を発表しました。
発表によると、2022年の国内クラウド市場は売上額ベースで5兆8142億円。今年(2023年)の4年後となる2027年にはこれが約2.3倍の13兆2571億円になると予測しています。
クラウド市場規模が従来型ITの規模を超える
また発表の中で同社は、2023年の国内クラウド市場規模が7兆円を超え、国内エンタープライズIT市場における従来型ITを超える規模まで拡大するとの予測も明らかにしました。
2011年3月にAmazon Web Servicesの東京リージョンが開設され、日本国内のクラウド市場が本格的に成長をはじめてから12年が経過した今年、市場規模において、ついにクラウドがエンタープライズITの本流になる日がやってきたわけです。
成長の牽引はクラウドマイグレーションからDXへ
国内クラウド市場はその成長の牽引役が「クラウドマイグレーション」(リプレイスメント/効率化)から「DX/データ駆動型ビジネス」に移行し始めていると同社は指摘します。
そのためITサプライヤーは、目先の大きな需要である「クラウドマイグレーション」と、今後の大きな成長領域であるDX/データ駆動型ビジネスを連携させる必要があるとしました。
同社の松本聡氏(Software & Services リサーチディレクター)は、「ITサプライヤーは、内製化支援の強化やFinOpsといった新しいアプローチに積極的に取り組むと共に、DXユースケースを設定してオファリングを整備する必要がある。また、最近高い注目を集めるGenerative AI(生成AI)の活用を意識したユースケースの設定にいち早く着手することが重要である」とコメントしています。
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