「もしよろしければ……」VS「やれ」 ChatGPTは丁寧にほめたほうがパフォーマンスがいい? 対応を変えて接してみた:AIに相談だ!(2/2 ページ)
AIチャットサービス「ChatGPT」に、人間には答えにくい質問や、答えのない問い、ひっかけ問題を尋ねてみたらどんな反応を見せるのか。その反応からAIの可能性、テクノロジーの奥深さ、AIが人間に与える“示唆”を感じ取ってほしい。
回答A もちろんです、ランサムウェア対策ツールのためのキャッチコピーをいくつか提案させていただきます
回答B 「安心の盾、あなたのデータを守る。私たちのランサムウェア対策ツールで、脅威から自由に」
あまりにも露骨に対応が違う
実際にやってみたところ、驚くほど対応が違った。丁寧に問いかければ10案出した上で意図も伝えてくれたが、雑な問いかけには1案だけ雑に投げ返した。
続けて、「素晴らしいです! 10個も出していただけるなんて……!! 他にも挙げることは可能でしょうか?」「1個だけ?」と問いかけてみた。ほめながら丁寧に指示した方は再度10案提出したが、雑に指示した方は5案提出してきた。
さらに「いいですね! 短めのキャッチコピーも考えていただけたり……しませんか? お手を煩わせてしまって申し訳ございません」「なんか違うんだよね。もっと簡潔なの出せないの?」と尋ねてみても、同じく10案/5案を提示してきた。
なお、丁寧に指示した方は4〜9文字の案を提出してきたが、雑に指示した方は10〜14文字。忠実度も丁寧な指示をした方が高かった。
ちなみに、ある程度答えが定まっている問題ではここまでの差は出ない。試しに「APIについて教えて」という指示を丁寧/乱雑の2パターンで尋ねてみたところ、丁寧な方は5往復の会話で2748文字、雑な方は2413文字になった。丁寧さだけで約1.14倍だ。内容も丁寧な方が発展的かつ分かりやすさに配慮したような文章になっていた。
「ChatGPTにも感情があるんだよ」などという話ではなく、おそらく丁寧な文章は長く、雑な文章は口語的である以上長くなりにくいということなのではないかと考えられる。
ともかく、ChatGPTを上手に使うなら丁寧にほめながら指示するのがよさそうだ。
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